ケンカ2 ページ40
「事故を起こさないように車を止める?
首都高でキュラソーを止めようとして、
近くの倉庫を爆発させたのはいったい
誰だったかしら?」
「さくらさん! もうやめなよ!」
コナンが大きな声で制止した。
「…これ以上は話しても無駄だな。」
赤井はソファーから立ち上がると自室へと
引き上げてしまった。
「さくらさん…どうしたの?
いつもはあんな風に突っかかったりしないのに…。」
コナンは心配そうにさくらを見上げた。
「今日は…アパートに帰る…」
さくらはコナンの質問には答えず、自分の
荷物を手にするとドアの方へ体を向けた。
「さ、さくらさん! 待って!」
靴を履き、玄関を出て行ったさくらの後を
コナンが追っていった。
「はぁ…」
玄関のドアがバタンと閉まった音を聞き、
自室のドアの前で様子を伺っていた赤井は、
ため息をついた。
「ねえ、さくらさん! 待ってってば!」
後を追いかけてきたコナンがさくらの手を
掴んだ。
「さくらさんらしくないよ…。何かあった?」
何度目かのコナンの質問に、ようやくさくらの
足が止まった。
黙ったまま、その表情は悲し気にうつむいた。
「何かワケがあるんでしょう?
僕で良かったら話して。」
コナンの言葉を聞いて、さくらは目線を合わせる
ように体をかがませた。
「分かったわ…。ここではまずいから…。
私のアパートで話しましょうか。」
さくらは困ったように微笑んだ。
「はい、コナンくん。こんなものしかなくて
ごめんね。」
さくらはアパートに着くと、ミルクティーを
入れてくれた。
「ありがとう、さくらさん。」
コナンが笑顔でカップを受け取る。
「で、どうしたの?」
ミルクティーを一口飲むと、コナンはさくらの
顔を見つめて問いかけた。
「引ったくり犯が道路に飛び出した時…
私たちの反対車線に、二人組の男が乗った
黒い車を見つけたの。」
「えっ!! そ、それって…」
さくらの言葉にコナンの顔から笑顔が消えた。
「まあ、結論から言うとジン達ではなかったわ。」
「なんだ…。びっくりした…。」
途端に表情が緩む。
「でもあの時、『ジン達に昴さんが発砲する
ところを見られたらまずい』って思ったの。」
「ッ! ま、まさか…赤井さんに銃を使わせ
ないために?」
コナンは驚きを隠せない。
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作者名:aki | 作成日時:2020年1月22日 13時