ニンジンサラダ2 ページ37
「サラダ? 生で食べるのですか?」
てっきり火を通して甘みを出すのかと思っていた。
「ええ生で食べます。まあ任せて。」
りおは意外そうな顔をしている昴を横目に
調理を進めていった。
「まずは皮をむいて、スライサーで薄く
スライスします。それを包丁で細切りにするの。
スライサーと包丁の《二刀流》がポイントよ。
スライサーについている《つま切り》を
使っても良いし、全部包丁で切っても良いけど、
食感がこの《二刀流》が一番良いのよ。
好き嫌いがある子って、この食感も重要
だったりするわ。」
説明をしながら、りおはスライサーで
ニンジンを薄切りにし、今度はそれを揃えると
包丁で細切りにしていく。
「ずいぶん細く切りますね。」
「ええ。生で食べるので太いとコリコリって
触感になりますし、細い方がシャキシャキ
しています。ニンジン好きな方はどちらでも
良いでしょうけど、嫌いな子はシャキシャキの
方が食べやすかな。」
トントンと軽快に包丁が動き、気が付くと
1本すべてを細切りにしていた。
細切り…というより、ニンジンの《千切り》
という感じだ。
「昴さん。切ったニンジンをボールに入れて
二つまみほど砂糖を入れてください。」
使った道具をシンクで洗いながらりおは
昴に指示を出す。
「分かりました。砂糖ですね。ふたつまみ…
こんなもんですか?」
「ええ、OKです。それを手で良いので
砂糖がまんべんなく回るように混ぜてください。」
「え? 手で…ですか?」
「洗ってあるでしょ?」
「ああ、はい。じゃ、じゃあ失礼して…。」
恐る恐る、ボールに手を入れて混ぜる。
しばらくするとある変化に気付いた。
「りお。ニンジンがシャキッとしてきた…。」
「そうなの。それを感じてほしかったので
手で混ぜて貰ったのよ。」
クスクスとりおは笑う。
「たくさん砂糖を入れる必要はないわ。
一つまみか二つまみ。全体に薄〜く回るくらい。
ニンジンの甘みと砂糖の甘みで、嫌いな子でも
結構食べれちゃう。」
昴が砂糖の付いた手を洗っている間に
りおは軽く塩コショウを振る。
「あと加えるのはこの塩コショウと
白ごま、マヨネーズのみ。マヨネーズを
入れる前に軽く味付けと、白ごまをたっぷり
加えてよ〜く混ぜておいて。
全体に混ざったところでマヨネーズを加えるわ。
ニンジン1本でマヨは大さじ2〜3くらい
かしら。お好みで良いと思うわ。」
ボールにマヨネーズを絞り入れると
りおは手早く箸で混ぜ合わせた。
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作者名:aki | 作成日時:2020年1月22日 13時