番外編：ペリドットとアンバー短編集3【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】 (ページ21)

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思い出の…１ページ21

時系列：旅行後の平日
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　学会に行く森教授を駅まで送り、
さくらは車まで戻ろうと駅前を歩いていた。
ちょうどそこでカフェのメニューを眺めて
いた蘭と園子にばったり出会った。

　「あれ、蘭ちゃんたち今帰り？」
「あ！さくらさん！
今日はどうしたんですか？」
「明日からの学会に出る教授を、
駅まで送ったところなの。」
「そうだったんですね。あ、そうだここの
ケーキめちゃめちゃ美味しんですよ。
良かったらさくらさんも一緒にどうですか？」
　夕方にケーキは少々重いな…と思ったが、
二人の学生カバンを見て思わずＯＫした。

　「私ガトーショコラ。」
「じゃあ私は…このイチゴタルト。
さくらさんは？」
「えっと…私はラズベリームースを。」
「かしこまりました。」
オーダーを聞いた店員さんはニッコリ
微笑んでカウンターへと戻っていた。
園子はラズベリームースも捨てがたかった
んだよね、とまだメニューとにらめっこしている。
蘭は園子を見て『また始まった…』と
苦笑いしていた。
そんな二人にさくらが声をかけた。

　「ねえ、二人のカバンに付けているお揃いの
チャーム。どうしたの？」
「あ、これ？今日クラスメイトの子に
貰ったんです。なんでもその子のお姉さんが
アクセサリー作家さんなんですって。」
「へ～。手作りなの？」
「ええ。そうみたいです。何人か生徒さんも
いて、教室もやっているんですって。」
「え？教室？」
教室を開いていると聞いて、さくらの目が輝いた。
教室の場所や、どんなアクセサリーを作って
いるのかなど、詳しく蘭たちに尋ねる。
二人は知っている限りの事を話すと、
「蘭ちゃん園子ちゃん！その人紹介して！」
さくらは身を乗り出すようにお願いした。
「い、良いですけど…」
いつもと違うさくらの様子に、二人は面食らっていた。

　翌日夕方
コナンが工藤邸に来ていた。
「温泉旅行…結構波乱があったみたいだね。」
「ええ。まさかオドゥムの刺客と鉢合わせに
なるとは…。ですが、現状で彼女を狙う刺客は
ほぼいないと分かりましたし、結果オーライ
じゃないですか？」
昴は表情を変えずに静かに話す。
『あ～んな事言ってっけど、ホントはもっと
長くさくらさんを手元に置いておきたかった
だろうに…。』
昴の、いや赤井のポーカーフェイスに
コナンも感服だ。
「まあ、日常に戻ったことは喜ばしい事だよね。」
これで良かったんだと念を押すように呟いた。