検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:110,112 hit

旅の再スタート3 ページ42

 通された広い和室。
窓から見える景色は、山肌を流れる滝と広葉樹、そして先には遠く海が見えた。
 
 「ここはこの旅館の中で、一番美しい景色が見えるお部屋でございます。
紅葉にはまだ早いですが、それでも木々の緑と、海の青、滝の白。
見ていて飽きません。時々野生動物たちも姿を見せることもありますよ。
あと、こちらのお部屋にはお風呂もございます。
大湯と同じ天然の温泉から引いてきております。
お風呂からも景色が見えますから、そちらもお楽しみください」

 担当の女性が微笑みながら説明をしてくれた。

 「ところでお二人は新婚旅行でいらっしゃったのですか?」
「え? 新婚りょ…」
「ええそうです。結婚したらぜひ来てみてと友人に紹介されて」
昴はりおの言葉を遮るように答えた。

 『オドゥムから身を隠しているのですから、あまり正直すぎない方が良いですよ!』
『そりゃそうかもしれないけど、でも《新婚旅行》だなんて!』
『新婚旅行とでもしておけば、《男とお泊り》《不倫か?!》《恋人か?!》って変に勘繰られなくて済むでしょう?
人は根も葉もないうわさ話が大好きですから。それともりおは勘繰られたいのですか?』
『ぐっ…』

 「ご友人のご紹介でございましたか。ありがとうございます。
お二人とも仲がよろしいのですね」
コソコソと話す二人を見て、女性はクスクスと笑っていた。
「お夕飯の時刻は6時30分でございます。それまでごゆっくり、お過ごしくださいませ」
一通り部屋の説明が終わると、そう言って女性は出て行った。


 「ふう〜。昴さんが変なこと言うから緊張しちゃったわ」
座布団に腰を下ろしてりおはぐったりしていた。
「まあまあ。これで他のお客や従業員さんに、変に勘繰られることも無いでしょう。のんびりできますよ」
隣で昴はクスクス笑っていた。

旅館でのひととき1→←旅の再スタート2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
123人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:aki | 作成日時:2020年1月3日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。