ペリドットとアンバーvol.5【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】

動き出したオドゥム１ ページ45

　オドゥムの幹部チュ・ソジュンのもとに、一通のメールが届いた。
藤枝という先日指令を送った男からだ。

本文には『ラスティーを拘束した。動画を見よ』とだけあった。
動画再生をクリックする。



　恋人の遺骨を取り戻そうとする、男の鬼気迫る言葉…。
そして確かにあの組織の諜報活動担当のラスティーが、藤枝によって暴行されていた。
殴られた衝撃で鮮血が飛び、腫れていく様子はどう見ても演技ではなかった。

　藤枝の要求は遺骨を日本に持っていくことだ。
用心深いらしく、本物かどうか分かる動画を送れとは…なかなかのキレ者のようだ。
(まあいい。
女の遺骨と遺品を日本に持って行き、奴にチラつかせれば容易く情報も手に入る。
その上、あの組織の諜報担当を殺せばジンという男のダメージも大きかろう…)

「キムウジンを呼べ」
チュ・ソジュンは側近に声をかけた。


　程なくして、この男の右腕とも言える《キムウジン》が男の前でひざまずいた。
「先日FBIから奪った遺骨と遺品を持って日本へ行け。藤枝という男と接触せよ。
そこでエンジェルダストに関する情報を全て受け取り、ラスティーという女の死を確認するのだ。
最後は藤枝を消せ。
ラスティーの死体は、あの組織のジンというヤツにくれてやれ。
藤枝は海にでも捨てれば良い。我々の痕跡は残すな。良いな」
「はっ！」

　チュ・ソジュンはウジンに藤枝とラスティーの写真を投げ渡した。
ウジンはそれを手に取る。
ウジンの後ろには、ソジュンの側近が拳銃や銃弾そして小さなリモコンスイッチなど必要な
ものを揃え、静かに立っていた。

　「愛する将軍様のために職務を全うしてまいります」
ウジンはそう言って立ち上がり、荷物を受け取ると部屋を出て行った。

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