雨の日にこそ笑顔を２ ページ10
「さくらさん、泣かないで。今日はこんな雨も
あるんだって見せたくて、ここに連れてきたの。」
「え？」
「雨の日は暗くて。激しい雨は確かに周りの音も
かき消してしまう。でも、こんなことも
できるんだよ。」
「博士〜〜！」
コナンが叫ぶと、桜の木の周りに淡い光が灯った。
「？！なに？これ！」
やがて光は赤や青に色を変え、周りは幻想的な
雰囲気に。
暗くなった遊歩道が、雨粒をスクリーンにして
様々な形を映し出す。
「博士の発明品なんだけど、雨の日でも楽しめる、
その名も『雨降りプロジェクター』
雨でお出かけできなくなっても、憂鬱な気分を
一掃してくれるんだって。」
コナンが説明している間も、光は波や雲、水の中など、
様々な形に変化する。
桜の葉からこぼれる大きな雫は、光を受けて
キラキラと光る。濡れたアスファルトは、全てを
鏡のように映し出した。
「キレイ…」
さくらの口から感嘆の声がこぼれた。
「さくらさん。」
コナンがそっとさくらの手に触れた。
「雨も…たまには良いでしょ？暗い悲しいこと
ばかりじゃないよ。見方を変えれば、こんなに
キレイなんだもん。」
光が織りなす幻想的な世界。雨の日があっても
良いかなと思わせてくれる。
でも何より嬉しいのは、自分のことをこうやって
心配してくれる仲間がいること。
「ありがとう。コナンくん。それと博士も。お陰で
元気が出たよ。雨もたまには良いかもね。」
さくらの笑顔はコナンたちも笑顔にした。
雨が苦手なのは、すぐには変わらないけれど…
でも私は今、ひとりじゃないんだ。そう思える
ことが何よりうれしい。
いつかこんな雨の日も、笑顔で歩ける日が
くるかも…。小さな手を握りながら、
そんなことを考えた。
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『雨の日シリーズ』第3弾。
今回はコナンくん(＆博士)でした。
『雨降りプロジェクター』のくだりは
ドラえもん感が抜けなかった…。
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aki(プロフ) - コメントありがとうございます！とっても励みになります！嬉しいです♪妄想の続く限り書いていきますので、この後もお楽しみ下さいませ。 (2019年11月30日 15時) (
レス) id: 19a1a08cff (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 本編も番外編もとても面白く、大好きです。毎日更新が楽しみにしています！これからも応援しています！頑張ってください！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aki | 作成日時：2019年10月21日 13時
