空を見上げて風を感じて２ ページ2
「ん〜。昔、マレーシアの組織に潜入していた時、
孤独というか、寂しいと思う事が時々あってね。
そんな時よく空を眺めていたの。」
懐かしそうに目を細めながら、さくらは続ける。
「どこに居ても空は繋がっているでしょう？
日本にいる私の大好きな人も、この空の下にいる。
もしかしたら、今頃同じようにこの空を見上げて
いるのかなって。そう考えるだけで元気が出たわ。」
穏やかな表情でさくらは話す。
強い風がまた、ふたりの間を通り過ぎた。
「こうやって風が吹けばね、今私の横を通り過ぎて
いったこの風が、海を渡って日本に行くのかなって。
あの人に届くと良いなって思ってたわ。」
大好きな人…それが「スコッチ」という人のことだと
分かったが、哀は黙っていた。
さくらの寂しさと、そして強さを哀は感じた。
自分だったら、異国の地でさくらのように強く
いれただろうか…。ふとそんなことを考えた。
ふうと小さくため息をつく。
「つまり、今、自分の近くにいない誰かさんの
ことを思うとき、空を見上げてしまう…という
ことかしら？」
憎まれ口のひとつでも言ってやろうと、
哀は意地悪そうに微笑んだ。
「毎日顔を合わせているのにね。ごちそうさま」
と言って、子どもたちがいる庭へと行ってしまった。
「ん？」
「あれ？何の話をしていたんだっけ？
『毎日』…って？？」
さくらの頭に？が浮かぶ。
あ…さっき無意識に昴さんのことを考えて空、
見てた？…かも？
哀の言ったことをようやく理解し、
「ご、誤解だよ〜〜」
と慌てて哀を追いかけた。
本当は優しい言葉のひとつでもかけたかった
哀だったが、どうしても言うことが出来なかった。
何を言っても、しょせん気休めになってしまう気がして…。
彼女の心を守れるのは彼だけってことなのかな。
哀は小さくつぶやいた。
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このりおのクセが、後々…
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aki(プロフ) - コメントありがとうございます！とっても励みになります！嬉しいです♪妄想の続く限り書いていきますので、この後もお楽しみ下さいませ。 (2019年11月30日 15時) (
レス) id: 19a1a08cff (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 本編も番外編もとても面白く、大好きです。毎日更新が楽しみにしています！これからも応援しています！頑張ってください！！ (2019年11月30日 15時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aki | 作成日時：2019年10月21日 13時
