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10days11 ページ6

***

 簡単な変装をして、赤井は安室の愛車であるRX-7に乗り込んだ。この車に乗せてもらうのは初めてだ。
心地よいエンジンの響き。そして、この車の持ち味でもあるロータリーターボの加速は素晴らしい。しかも、この加速を担うには不釣り合いなほど軽いエンジン。それを生かしたハンドリングのシャープさ。さすが日本の車だと、赤井は一人で感心していた。

しかし、車に乗ったものの、どこに行くのか、何をしに行くのか、全く説明がない。
だからこうして、車の脳内評論会を一人で行っているわけだが。
車に乗ってすでに15分以上。そろそろどこに行くかくらいは教えてほしいものだ。
赤井はちらりと安室の顔を見ると、気付かれぬよう小さなため息をついた。


 「着きましたよ」
車は大きな建物の前にある、駐車場に滑り込んだ。
「病院?」
車を降りた赤井は建物を見上げ、眉根を寄せる。
「ええ。ジョディさんから、あなたがだいぶ無理をしていると聞いてね。少し栄養を補った方が良いと思いまして」
「は?」
そんな事の為に連れ出したのか? 赤井は半ばあきれ顔で安室を見た。
「それなら心配ない。さっき見てもらった通り、食事もちゃんと取れている。こんなところで点滴などされなくても俺は……」
「まあまあ。僕もここに用があるので。付き合ってください」
反論は聞きませんとでもいうように、安室はスタスタと病院の玄関へと向かう。赤井は自分の車で来なかったことを心底後悔した。

 病院エントランスを素通りしてエレベーターに乗り込む。ほどなくして10階病棟に到着した。
大した説明もないまま、とある部屋に入るよう促される。ここまで来たなら仕方がない。点滴でも何でもして、今日は絶対に帰ると決意を新たに、赤井は部屋のドアを開けた。
ガララ……

 朝日で白く霞む病室。
特別病棟だというだけあって、部屋の中は広い。トイレやシャワールームが完備され、立派な応接セットまである。
目元に当たるまばゆい光を手で遮り、赤井は周囲を見回す。ドクターやナースらしき人物は居ない。
「?」
不思議に思った赤井は、病室に本来あるはずのベッドを探した。広い部屋のため、入口からは見えず、数歩部屋の中ほどへ入る。
(誰か……いる!?)

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設定タグ:迷探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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aki(プロフ) - タロさん» わぁぁぁ!タロさん、ありがとうございます〜!私も書き切った感はあるのですが、時間経ってもやっぱりこの二人の関係良いなぁってなっちゃいます。ポチポチ更新していくので、気長に待ってて下さいね〜♪ (6月17日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
タロ(プロフ) - akiさん、お久しぶりです。こんばんは。ペリアンが完結してから、読み切ったぞという達成感もあったのですが、やはり寂しくて、そんな折りに番外編の更新をしてくださって。本当にakiさんには感謝しかありません!これからも更新楽しみにしています!がんばってください (6月17日 22時) (レス) @page21 id: b51bfb52d6 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - はちみつさん» はちみつさぁぁぁん!ありがとうございます〜ぅ♪今回は本編のスキマを埋めるお話になってまーす。幸せいっぱいの二人をご堪能下さいませ〜♪ (6月2日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんばんは!!番外編更新嬉しすぎます…!ウキウキるんるんで読んでますっ! (6月2日 23時) (レス) @page10 id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aki | 作成日時:2022年11月27日 13時

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