サプライズな出来事4 ページ10
「それが……目撃情報があまり信用できないというか……『たぶんスンホじゃないか』という程度なんですって。
現在の公安は新人も多くて、凶悪犯を見抜く力がイマイチ足りないって、風見さんがボヤいてるの。
風見さんは今、A班の陣頭指揮に加えて別の案件も抱えているし、降谷さんも倉庫街の事件の後処理で警察庁に入りびたり。
そうなれば、私が様子を見に来るしかないでしょ」
「つまり……あなたの独断…ですか?」
「え、ええ…まあ…」
あははと視線を泳がせ、さくらはそっぽを向く。
「まったく……」
これ以上心配事を増やさんでくれ——。昴は眉間にしわを寄せ、片手で頭を押さえた。
「もしかしたら、あなたをおびき出すための、スンホの罠かもしれませんよ」
片目だけ開けた昴はジロリとさくらを見る。
「うん……その可能性もあるっていうのは分かってる。でも、このまま野放しにしておくわけにもいかないわ。
ここから本国に帰るだけなら、日本には影響は無いけど、別の目的がある可能性もあるでしょ?
今、この辺り一帯は観光で人の出入りも多い。観光客に紛れて工作員を増員したり、もしくは観光客を狙うことだって考えられる。
狙いが私だけなら、必ず私の前に姿を現すわけで……。 彼を捕まえるならその方が好都合」
「…また危険なことを考えてるだろ」
「そんなことないよ。あくまでも、情報の信ぴょう性を確認しに来ただけですぅ〜。
でもまぁ…危険がないと言えばウソになるから、『ひとり』じゃなく、あなたと『一緒に』来たのよ」
ニッコリと微笑むさくらの顔は、確信犯の顔をしていた。
『一緒に』と言えば、何でも許してもらえると思っているらしい。
「さくら、あなた自分の体のこと分かってます? 今は現場に出れるほど、体力も精神力も回復していないんですよ! ターゲットと鉢合わせしたらどうなるか……」
「シーッ! 昴さん! 声大きいよ!」
両手を腰に当てて怖い顔をする昴を、周りが何事かと見ている。
「あ……」
つい、気持ちが入り過ぎて声のトーンが上がってしまった。
二人はコソコソと、その場から逃げるように場所を移動した。
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aki(プロフ) - はちみつさん» はちみつさん、お久しぶりです♪そしてありがとうございます!思惑通りハラハラして頂いて嬉しいです(笑)ひとまず、完結を目指してラストスパートです〜。今後ともよろしくお願いします♪ (2022年6月5日 17時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんにちは!8章もお疲れ様でした!主人公ちゃんがいない間、わたしもハラハラしながら更新待ってましたっ。これからも楽しみにしてます!ひとまず章の完結お疲れ様です!! (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - あんなさん» あんなさん!お久しぶりです♪楽しんで頂けて嬉しいです〜。赤井さんがどれだけ夢主を愛しているか…って事を書きたくて、このような展開になってしまいましたw泣かせてごめんね、赤井さんって感じですwwwこの後も楽しんで下さいね〜! (2022年5月21日 13時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - お久しぶりです!毎日、このお話を読むのを楽しみに帰宅しています!夢主、無事で良かった…!赤井さんが泣くところはいつも胸が締め付けられるように痛いです。こちらまでが涙を誘われてしまいました。これからも応援しています! (2022年5月21日 12時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - ttakedasaki0906さん» そう言って頂けると決心が揺らぐww とりあえず、とても長いお話になってしまったので一旦完結します。きっとまた書きたくなると思うので、その時はまた! 短編のストーリーラインもちょっとずつ書いているので、そちらもお楽しみに! 応援ありがとうございます♪ (2022年5月19日 15時) (レス) id: 9e9b5250f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:aki | 作成日時:2022年4月18日 12時