揺れるクルーズ船2 ページ13
「フ……フフフフフ……。そんな目で見るな、ラスティー。
いいか、俺の体にはたくさんの爆弾が括り付けられている。今から俺はこの船に乗る。今日は日曜で観光客が多い。ここで爆発させれば、いったい何人道連れにできるかな?」
「「‼」」
スンホの狂気の言葉に、二人は息を飲んだ。
「ラスティーは組織の人間であるにもかかわらず、『死』に敏感なそうじゃないか。
だったら俺を止めてみろ。
俺は日本国民を道連れに、そしてお前もろとも、パ〜ッと最後に大きな花を咲かせるんだ……」
ハハハハ……と高らかに笑いながら、スンホはクルリと体の向きを変える。
クルーズ船の物資搬入口に向かって走り出した。
「ま、待てッ!」
二人はスンホの後を追い、クルーズ船の中へと向かった。
煌びやかな客船とは全く別の、クルーズ船の裏の顔——
物資を運び出す倉庫は、ここが豪華クルーズ船の船内とは思えないほど、殺風景で雑然としていた。
中には何人か作業員がいたが、倉庫が広いため、侵入者に気付く者はいない。
カンカンカンカン……
走り去るスンホの足音を頼りに、二人は後を追う。
「ヤツはデッキに上るつもりだ!」
昴は走りながらさくらに声をかけた。
「え? なんで?」
「クルーズ船の客室は狭いから、そこで爆破しても爆弾の威力が削がれて大した被害は出ない。
だが、今日は休日。デッキには観光客がたくさんいるだろう。
広いところで爆発させれば、デッキにいる人はもちろん、床が抜ければデッキの下の階にも被害が及ぶ!」
「そういうこと…っ!」
さくらは息を切らしながら答えた。
関係ない人たちにまで被害が出てはならない——祈るような気持ちで、さくらはスンホを追った。
船首側に設置された広いデッキは、大勢の人で賑わっていた。
そこに階段を駆け上がったスンホが現れる。懐から銃を出すと、空に向かって威嚇射撃をした。
ドゴォーン!
「‼」
銃声を聞いて、その場にいた人々が何事かと振り返る。そこには銃を持った男の姿。いち早く状況に気付いた客が悲鳴を上げた。
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aki(プロフ) - はちみつさん» はちみつさん、お久しぶりです♪そしてありがとうございます!思惑通りハラハラして頂いて嬉しいです(笑)ひとまず、完結を目指してラストスパートです〜。今後ともよろしくお願いします♪ (2022年6月5日 17時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんにちは!8章もお疲れ様でした!主人公ちゃんがいない間、わたしもハラハラしながら更新待ってましたっ。これからも楽しみにしてます!ひとまず章の完結お疲れ様です!! (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - あんなさん» あんなさん!お久しぶりです♪楽しんで頂けて嬉しいです〜。赤井さんがどれだけ夢主を愛しているか…って事を書きたくて、このような展開になってしまいましたw泣かせてごめんね、赤井さんって感じですwwwこの後も楽しんで下さいね〜! (2022年5月21日 13時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - お久しぶりです!毎日、このお話を読むのを楽しみに帰宅しています!夢主、無事で良かった…!赤井さんが泣くところはいつも胸が締め付けられるように痛いです。こちらまでが涙を誘われてしまいました。これからも応援しています! (2022年5月21日 12時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - ttakedasaki0906さん» そう言って頂けると決心が揺らぐww とりあえず、とても長いお話になってしまったので一旦完結します。きっとまた書きたくなると思うので、その時はまた! 短編のストーリーラインもちょっとずつ書いているので、そちらもお楽しみに! 応援ありがとうございます♪ (2022年5月19日 15時) (レス) id: 9e9b5250f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2022年4月18日 12時