子どもたちと3 ページ40
「あの時、おじいさんの《お友達》だよって教えてもらった、園城寺家の執事長さん。
彼が昨日、博士の家に相談に来たんだよ。『旦那様にサプライズを仕掛けたい』って」
コナンが二人を見上げてニッと笑う。
「へ〜ぇ! 衛さんにサプライズを⁉︎」
さくらが嬉しそうに問いかけると、探偵団は大きくうなずいた。
「そうなんです! 衛さんは二年前に体調を崩されて、その時に仕事のほとんどを息子さんに引き継いだらしいんです。
今はだいぶ元気になられたようなんですが、仕事一筋で頑張って来たのに、病気が原因で急に仕事から離れることになってしまって……。
体が良くなっても、ふさぎ込む日が多かったそうなんです」
光彦が少し心配そうな顔をして、執事長から聞いた話を聞かせてくれた。
「だけど、私達が遊びに行った日からすごく顔色が良くなったんだって。
だから執事の人が、サプライズで誕生パーティーをやるから是非皆に来て欲しいって、お願いに来たんだよ」
歩美が目を輝かせた。
さすがは執事長であり、長年《友》としてそばに居た人物。主の喜ぶことはお見通しのようだ。昴もさくらも、子どもたちの話を聞いて微笑んだ。
「それでオレたち、プレゼントを作ることにしたんだぜ!」
「プッ! 元太、さも自分で提案したみたいなこと言って……」
元太が得意げに話すので、哀とコナンがそれを見て噴き出した。
「それ、歩美ちゃんの発案だろ⁉ お金持ちの人だから、お金で買った高価なものより、自分たちで手作りした物の方が喜ぶんじゃないかって」
あはは…そうだった〜、と苦笑いする元太を見て、さくらが笑い出した。
「ふふふ。なるほど! なかなか良いアイデアじゃない。それでプレゼントの材料を買いに行くという訳ね。で、いったい何を作るの?」
さくらの問いかけに、子どもたちは嬉しそうに互い顔を見合わせた。
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作者名:aki | 作成日時:2022年2月27日 12時