直接対決3 ページ26
「この暗闇で見えたのかい? コルン、やるじゃないか」
そばで見ていたキャンティが目を丸くした。
「しっかし相手もかなりのやり手だね! 手持ちの弾も少なくなってきたし、そろそろさっきのアレ、使おうよ」
キャンティが目配せをすると、やや頬を赤くしたコルンが「ああ」と短く返事をして足元の武器に手を伸ばす。
先程使ったグレネードランチャーを肩に担いだ。工作員が身を隠しているコンテナをめがけて、ランチャー弾を放つ。
ドゴーン!!
コンテナがバラバラになった瞬間、そこにいた数名の工作員が一気に走り出す。
近くで銃を構えていた組織の構成員も、一斉に攻撃を仕掛けた。
「これで皆殺しだよ!!」
散り散りになって駆けだす工作員に向かって、キャンティが銃を向けると——
「将軍様万歳!!」
そう叫びながら近づいて来る工作員の手には武器だけでなく、リモコンのスイッチも握られていた。
ドゥオオオオォォォン!!
激しい爆音が相次いで響いた。
「ん? 何事だ?」
爆弾を仕掛け終え、再び地上に戻ろうとしていたジンが、激しい爆発音に眉根を寄せる。
『大変だよ、ジン!! 奴ら自爆しやがった! 総攻撃を仕掛けていたB班とC班が…』
ヘッドセットから聞こえたキャンティの声が珍しく上ずっている。
「チッ! やつら…敵わないと思えばすぐ自爆だな…」
行くぞ、とジンがウォッカに声をかけ、身を翻したその瞬間。
ヒュン!
「ッ!」
ジンの喉元を狙ったナイフが空を切った。
「あ、アニキ!」
ウォッカが驚いた声を上げ、とっさに懐から銃を取り出す。
「ここまでだ、ジン……。我々のアジトを突き止めるとはたいしたものだ」
ギラリと鋭い目をむけたスンホがナイフを構え直した。
「フン。お前らのアジトなど、ラスティーにかかればものの数分。簡単すぎで拍子抜けだ」
挑発するように、ジンはニヤリと口の端を持ち上げる。
「チッ! やはりあの女か!」
忌々しそうにスンホは舌打ちをした。
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作者名:aki | 作成日時:2022年2月27日 12時