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直接対決1 ページ24

***

「ウォッカ、待て」
車を降り、建物の裏口を探していたジンが声をかけた。建物と建物の間にある小さな通路を見つけ、その中を進む。
小さな鉄の扉の存在に気付き、ウォッカが静かに開けた。どうやら地下アジトに続く階段のようだ。ジンは口角を上げる。
気配を消して待っていると、やがて奥から足音が聞こえてきた。

 「ウォッカ」
ジンはウォッカにアゴで指示を出す。
「わかりやした」
ウォッカは閃光弾を取り出すと、階段へと転がした。
コン…コロン…カコン…
階段を転がる閃光弾が乾いた音を立てる。
コツンと壁にぶつかった瞬間——
カッ!!
強い光を発した。

 扉の近くで外壁に背を付け、ジンとウォッカは光が治まるのを待つ。
完全に光が無くなったことを確認して階段を下りた。階段の中ほどには数名の工作員が顔を押さえ、見悶えていた。
「フン。ざまぁねえな」

パシュ!
パシュ!
パシュ!

 目をやられて反撃できない者たちの頭を、サイレンサーの付いた銃で撃ち抜く。二人にとっては造作もない事だった。
「ハッ! あっけないもんだ」
四〜五人ほどの遺体がそこに転がっていた。
折り重なるように倒れている男たちを、ジンは足で転がし、顔を確認する。

 「っ! こ、こいつらの中にリュ・スンホが居ない⁉」
ジンの顔色が変わった。おそらく組織が報復に来ることを読んでいたのだろう。
だからこそ【酸化ニッケルサマリウム】による隠れ蓑を使って工作員を配置させていた。そしてさらに、ベタな影武者まで用意して。
つまり今この瞬間も、本物のスンホが自分たちを狙っているかもしれない——。
ジンは忌々しそうに舌打ちをした。
「ウォッカ。予定通りアジトの心臓部に爆弾を仕掛ける。だが厄介なことに、ヤツがどこから狙っているか分からない。急ぐぞ」
「準備出来てますぜ、アニキ」
ウォッカは片手に持ったジュラルミンケースに、一瞬だけ視線を落とす。
「いくぞ」
「へい」
その場に転がる死体を蹴り飛ばしながら、二人は奥へと進んでいった。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:aki | 作成日時:2022年2月27日 12時

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