戦闘開始3 ページ20
『おそらく本国からの合流部隊だ。本格的なアジトを手に入れ、増員したんだろう。
そういえばアロンからも先日連絡が来ていたな。港にK国を経由したおかしな船が到着したと』
そいつらもまとめて始末してやる、とジンは上機嫌だ。ラスティーはやや苦しげに視線を落とす。バーボンがそれを黙って見ていた。
「倉庫の見取りと重ね合わせると、どうやら地下にいるようです。隠し部屋か何かがあるのかもしれません。
大多数が一か所に固まっているようですが、数名が一人を守るように配置されています」
『ふん、その守られているヤツがスンホの可能性が高いな』
バーボンの情報を聞き、ジンが何やら考え込む。指示を出そうとした時、ラスティーが声を発した。
「ちょっと待ってジン。元々このアジトに出入りしていた工作員は、さっきも言った通り十人程度よ。
今アジトで確認出来るのは二十数人…。逆に増員したわりには少ない気がするの。
数回に分けて密航させる算段なのかもしれないけど、日本の港は意外と監視の目が厳しいわ。
しかも最近K国からの船も、国家間の摩擦から日本政府は数を制限している。もしかしたら——」
「どこか別の場所に潜んでいて、こちらを監視しているかもしれない、ということですね。確かに可能性はあります。ジン、用心して下さい」
バーボンは表情を硬くし、ラスティーの言葉に付け加えた。
『分かった。バーボンとラスティーはドローンで周辺の様子も探っておけ。何か怪しい動きがあればすぐに知らせろ。
今回ベルモットはある人物の護衛に出ているため、お前たちの役割は大きい。アジトの監視も怠るなよ。
街に設置されているサツの監視カメラは、近くの建物からアロンがジャミングする。だがそれも長時間は無理だ。さっさとカタをつける。
監視区域を広げる以外は当初の予定通りだ。A班は建物に侵入し、隠し部屋の入口を探せ!
B班、C班は建物を囲んでアリ一匹逃がすな!』
『『『了解』』』
各班の声が聞こえたことを確認すると、ジンがA班に向かって指示を出す。
『A班、突入だ』
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作者名:aki | 作成日時:2022年2月27日 12時