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仲間に迫る影2 ページ14

翌日——
スンホは自ら変装をして東都大学に来ていた。
(アロンとラスティーが接触していたのがこの大学…。必ずここに何かある)
スンホは学生に紛れ、通り過ぎる学生の会話に耳をそばだてた。

『あ〜あ…今日の講義だり〜なぁ…』
『誰か前回の講義のノート見せてくれよ』
『なあなあ、お前この後バイト?』

 くだらない会話ばかりが聞こえ、スンホは小さく舌打ちをする。
学生たちの集団を抜け、次々と場所を変えた。
やがて理系の学科が集まるエリアへと足を踏み入れる。

 『あれから島谷教授の方はどうなの?』
『あ〜、あっちこっちのテレビ局が取材に来てるみたいだよ』
『へ〜ぇ。教授話ベタだから大変だね』
(……⁉)
先日、大きな実験を成功させた島谷教授のウワサ話を耳にした。
ラスティーを大学で見かけたのは、確かその教授が難しい実験に成功したと報道があった日だ。
スンホはさらにその学生達の会話に耳を傾ける。

 『そういえばさ、星川さん最近全然見ないけど』
『なんかウワサによると、この間の自爆テロの現場に居たんだって』
『えぇ? 彼女あのカフェに居たの?』
『なんかさ、外国人っぽい男と会ってて巻き込まれたらしいよ』
『えぇ⁉ それマジ?』

 (ッ!)
自爆テロと聞いて、スンホの目が鋭くなる。しかも外国人の男と会っていた、となると考えられるのは——。
(その『星川』という女は ラスティーのことか?)
スンホはその後もしばらく学生たちの会話を聞いていたが、それ以上の情報は得られなかった。
(大学の関係者で尚且つ、先日の爆破騒ぎでケガをした女。しかも外国人の男と一緒だったとなると、そいつがラスティーの可能性がある。内偵に探らせるか……)
スンホはスマホを取り出すと素早くメールを打つ。

 (あとは……ベルモット…あの女が頻繁に会っている人物。昨日は俺を出し抜く罠だった。しかし斥候の報告によれば、誰かと会っているのは間違いない。しかもこの大学周辺で……)
火のない所に煙は立たない。
ベルモットが東都大学周辺で誰かと会っているのは確実で、しかもラスティーもこの大学に関係している。
組織が隠密に会っている人物がこの近辺にいるのは間違いない。
スンホはそう確信していた。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:aki | 作成日時:2022年2月27日 12時

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