検索窓
今日:4 hit、昨日:24 hit、合計:12,834 hit

同志との再会3 ページ14

「すまない。何度かあなたに連絡しようと思ったんだ。
しかし元公安の俺は、その職を辞してからもしばらくは《ゼロ》の監視下に置かれ、自由に連絡を取る事が出来なかった。
国を越えての連絡などもっての外で…。
数年後にようやくメールを送った時には、あなたのメ−ルアドレスが変わっていた」
「そうだったのか…。私の方こそ申し訳ない事をした」

 冴島の言葉にジェームズは悔しそうに顔を上げる。
「公安警察は秘密主義。そのような事情があると、考えれば分かるものを…。
やはりアドレスを変えるべきではなかったな…。
 実は…アドレスを残そうかどうしようか迷ったんだ。
けれど…来るはずのない君からの連絡を期待してしまう自分に嫌気がさしてね。
アドレスを変えれば、もう期待しなくて済む…と思ってしまったんだ」
 りおの両親の死後も、二人は辛い時間を過ごしていた。
その事を知って、改めて互いに背負った悲しみの大きさを感じる。

《りおが生きている》
《きっと元気に育っている》

 その事実だけが、その悲しみをほんの少しだけ軽くしていたのかもしれない。



 「で? 今日我々をここに呼んだ理由を聞かせてくれないか?」
思い出話もそこそこに、ジェームズが目元の涙を拭って昴の顔を見る。
冴島も昴の方へ向き直った。

「実はりおが意識を失う前に二人の名を呼んだのです。
『冴島のおじちゃん』『スウィートのおじちゃん』『でたらめ』
私が聞き取れたワードはこの3つ」
昴はジェームズの顔を見る。
「以前私がお聞きしたのは、りおの父親が冴島さんに遺した言葉。
『俺に万が一の事があったら、俺とりおの思い出を聞け』と。
それ以外に遺された言葉は無いそうなんです」ジェームズは時折小さくうなずきながら、昴の言葉を聞く。冴島も真剣な表情で二人を見た。

同志との再会4→←同志との再会2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.6/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

aki(プロフ) - iwaさん» iwaさん、メッセージありがとうございます♪大好きって言ってくださる方がいるだけで、すっごく嬉しいです。前は一喜一憂してましたけど、今はただ、好きな小説を書いて、喜んでくださる方がいて、それだけで幸せです。ご期待に添えるよう、これからも精進します! (2022年4月22日 19時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - 初めまして。星が少ないようですが私は大好きです。色など気にせずに!楽しませていただいてます! (2022年4月22日 16時) (レス) @page50 id: 6d6a6077d0 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - はちみつさん» あけましておめでとうございます♪︎はちみつさん、お久しぶりです〜!コメント嬉しいです〜〜!今年もただのラブではない、唯一無二の二人を書いていきますよ〜。よろしくお願いします♪︎ (2022年1月1日 14時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんにちは!そして、あけましておめでとうございます!毎日楽しく読ませていただいています!夢主ちゃんと赤井さんの信頼関係がたまりません…!今年もよろしくお願いします! (2022年1月1日 13時) (レス) @page43 id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - あんなさん» あんなさん、ありがとうございます♪最近は閲覧数も減っているのでコメント頂けると本当に嬉しいです〜!長いお話で読むの大変ですよね。でもちゃんと最後まで形にしますので、もうしばらくお付き合いくださいね。良い年をお迎えください。 (2021年12月31日 19時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:aki | 作成日時:2021年11月20日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。