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同志との再会1 ページ12

1時間半後——

 事故現場からほど近い病院には、爆発の際にケガをした人たちが数人運ばれていた。
昴は擦り傷程度で大したケガはしていないが、意識を失ったさくらが病室で眠り続けている。
そこへ連絡を受けた冴島が駆けつけた。
病室のドアを勢いよく開けた冴島の顔は、酷く青ざめていた。

 「沖矢くん、りおは…思い出したのか? 両親が死んだときの事を…」
冴島は震える声で昴に問いかけた。
「いえ…。まだハッキリした事は分かりませんが、意識を失う直前の様子では全てを思い出したわけではないと思います。
仮に記憶が戻ったとしても、またすぐに忘れてしまう事もあります。
以前にもそういうことが有りましたから…。
ただ先ほどドクターにも言われたのですが、何度もそういった事が繰り返されるうちに、段々と思い出す頻度も上がるそうなんです。
キッカケさえ揃えば、全てを思い出す日もそう遠くないでしょうと…」
辛そうに応えた昴を見て、冴島はゆっくりとベッドに近づく。
そっとりおの頭を撫でた。

 「ビーチラインで事故を起こした運転手たち……結局助からなかったそうだね」
冴島はりおを見つめたままつぶやいた。
「…ええ。二人とも焼死したと…先程警察の方から聞きました」
昴もそんな冴島とりおを見ながら答えた。
「この子の両親の遺体も、損傷が激しくてね。爆発で完全に燃えてしまっていたから…。
とても見れたもんじゃなかったよ」
りおの頭を撫でる冴島の手に涙がポトリと落ちる。
「その時の様子を……この子は目撃していたんだ。相当なショックだろう?
炎で焼かれる両親を目の前で見ていたんだから…。
記憶も失い、声も出なくなるわけさ。9歳の子が見るにはあまりにも残酷だ…」
冴島の言葉を昴は黙って聞いていた。
昴の表情は変わらないが、その両手はグッと血が出そうなほど、強く握りしめられていた。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
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aki(プロフ) - iwaさん» iwaさん、メッセージありがとうございます♪大好きって言ってくださる方がいるだけで、すっごく嬉しいです。前は一喜一憂してましたけど、今はただ、好きな小説を書いて、喜んでくださる方がいて、それだけで幸せです。ご期待に添えるよう、これからも精進します! (2022年4月22日 19時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - 初めまして。星が少ないようですが私は大好きです。色など気にせずに!楽しませていただいてます! (2022年4月22日 16時) (レス) @page50 id: 6d6a6077d0 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - はちみつさん» あけましておめでとうございます♪︎はちみつさん、お久しぶりです〜!コメント嬉しいです〜〜!今年もただのラブではない、唯一無二の二人を書いていきますよ〜。よろしくお願いします♪︎ (2022年1月1日 14時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんにちは!そして、あけましておめでとうございます!毎日楽しく読ませていただいています!夢主ちゃんと赤井さんの信頼関係がたまりません…!今年もよろしくお願いします! (2022年1月1日 13時) (レス) @page43 id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - あんなさん» あんなさん、ありがとうございます♪最近は閲覧数も減っているのでコメント頂けると本当に嬉しいです〜!長いお話で読むの大変ですよね。でもちゃんと最後まで形にしますので、もうしばらくお付き合いくださいね。良い年をお迎えください。 (2021年12月31日 19時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aki | 作成日時:2021年11月20日 12時

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