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「おかしいな。こんな嵐なのに…買い物でもしてくるのか？」
昴はポケットからカギを取り出すと鍵穴に差し込んだ。
「ッ！」
玄関のカギが開いている事に気付き、昴の表情が険しくなる。
家を出る時確かに施錠した。
傘が無いのでりおが帰宅したわけでもない。
とすれば…可能性は一つ。
(誰かが侵入したか？)
昴はそっとドアノブに手を伸ばすと、静かに玄関ドアを開けた。
ギィ……
ドアが開いた瞬間———
「りおッ！！」
目に飛び込んできた光景に昴は思わず叫んだ。
そこにはびしょ濡れのりおが、靴を履いたまま倒れていたからだ。
「りお！ これはいったい…」
昴は慌ててりおを抱き起す。
「ッ！」
ガタガタと震えるりおの顔は真っ青だった。
どこかケガでもしているのかと思ったが、そうではないらしい。ただ異様なほど体が冷たい。
「りおッ！ 私が分かりますか？」
昴はりおの頬を軽く叩いた。
「…す…ば…」
りおはわずかに目を開け、昴の名を呼ぶ。
「りお、いったい何があったんです？」
「踏切で…動けなく…なって…る…おばあさ…助け…」
りおは途切れ途切れに、踏切での事を話した。
「ッ！ それでびしょ濡れのまま帰って来たのか！？」
今日は気温も低い上に激しい雨と強風。
濡れた体は風に煽られ、急激に体温を奪われたのだろう。
「低体温症だ。とにかく服を脱いで下さい」
昴はりおを抱き上げ、玄関を上がるとそのまま洗面所へと急ぐ。
洗面所の床にりおを寝かせるとタオルを引っ掴んだ。
「りお、服脱げますか？」
「う…ん…はぁ…はぁ…」
ジャケットのボタンを外し腕を抜こうとするが、濡れているせいでなかなか脱がす事が出来ない。
りおも震える体を懸命に動かし、なんとかジャケットを脱いだ。
「次はシャツだ。もうちょっと頑張れるか？」
昴はシャツのボタンを外しながら声をかける。すでに昴を演じる余裕はない。
「りお！ おいっ？！」
先程と違い、まったく動こうとしないりおの顔を覗き込む。
「ッ！ 意識がない…しかも震えが止まってる。マズイな…」
昴は眉根を寄せた。
通常低体温症になると初期は体が震え、呼吸数や心拍数が上がる。
体が体温をあげようとするからだ。
しかし症状が進むと震えは止まり、呼吸数も心拍数も下がって意識混濁が始まる。
さらに重症化すれば心臓が止まってしまう。
低体温症は決して侮(あなど)ってはいけないのだ。
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aki(プロフ) - あんなさん» こちらこそありがとうございました！おばちゃんに怒られる昴さん…とかちょっと笑える姿も入れつつ、結局夢主ちゃん大好き昴（赤井）さんを意識しました。楽しんで頂けて良かったです〜！ (2021年10月6日 18時) (
レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - 今回のお話もとっても面白かったです！アレルギー反応というのは想像もしてみませんでした！昴さんも安定のかっこよさでした(*ﾉωﾉ)ありがとうございました！！ (2021年10月6日 16時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
あんな - 全然大丈夫です！友達と話していて盲腸の話があがったとき、もしかしたらかっこいい秀一さんがみれるかも？？と思っただけなので（笑） (2021年9月30日 16時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - あんなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。（涙出る〜…）あ、そうだ。一つだけ…。体調不良…盲腸ではなくなってしまいました…。理由は最終話のあとがきで述べますが、そこだけご承知おきくださいませ<(_ _)> (2021年9月30日 9時) (レス) id: 9e9b5250f1 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - akiさん» こんにちは！ありがとうございます！！akiさんのお話はどんなものでも大好きなので、心配なさらないでください！！楽しみにしています(≧▽≦) (2021年9月29日 15時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aki | 作成日時：2021年4月17日 15時
