カフェオレ（忘れられない味）３ ページ33
「あぁ、一般の方にはキツイですよね…。コナンくんや蘭さんは見慣れているせいか、意外と平気なのでウッカリしてました…」
高木が慌てて謝罪した。
「死体を見慣れてしまう小学生も困ったものですね…。さくらもこんなですし、私たちは失礼します」
「ええ。お大事にしてください」
昴は二言三言言葉を交わし、さくらを連れて現場を離れる。
「ご、ごめんね…」
さくらは青い顔をして謝った。
「現場はボウヤがいるから大丈夫だろう。それより体は？」
昴が優しく問いかける。
「ポケットに頓服の安定剤があるの。それを飲むわ」
近くのベンチに座り、さくらはバッグから小さなマグボトルを取り出した。薬を一錠口の中に入れるとボトルの水と一緒に飲み込む。
「薬が効いて落ち着いたら食事か……食べられないようでしたら買い物へ行きましょうか」
「うん……」
さくらは呼吸を整えながら、昴に微笑んだ。
薬が効くまでの間、さくらはベンチに体を預け目を閉じた。
いつもなら数分で呼吸がラクになり体も軽くなる。ところが今日はなかなか効いてこない。
それどころか口が渇き、グラグラと目が回る。その上吐き気まで。
現場を見た時よりも気分が悪い。
「…ぅ……はぁ……ふ……」
「さくら？」
さくらの異変に気付いた昴が声をかける。しかしそれに答えるだけの余裕がさくらには無い。
「どうした？ まだ苦しい？ 薬、効いてこないのか？」
矢継ぎ早に問いかけられるが、その声も、その姿も、徐々に歪んでいく。
ベンチに座っていたさくらの体が大きく傾いた。
「おい！ さくら！？」
さくらの体を抱き留めた昴は、慌ててその顔を見た。
「ッ！」
さくらの顔は蒼白で脂汗を浮かべていた。触れたところは驚くほど熱い。
「急にどうして……」
突然の激しい変化に、昴の思考がついていけない。
「おい、さくら！ しっかりしろ！」
もうほとんど意識の無いさくらを抱きしめ、昴は何度も体を揺すり、声をかけ続けた。
その時——
「どうされました？」
初老の男性が昴に近付き声をかけた。
「じ、実は——」
昴はこれまでの経緯を男性に話した。
「なるほど」
男性は昴の話を聞き終わると、さくらの様子を注意深く観察し始めた。
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aki(プロフ) - あんなさん» こちらこそありがとうございました！おばちゃんに怒られる昴さん…とかちょっと笑える姿も入れつつ、結局夢主ちゃん大好き昴（赤井）さんを意識しました。楽しんで頂けて良かったです〜！ (2021年10月6日 18時) (
レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - 今回のお話もとっても面白かったです！アレルギー反応というのは想像もしてみませんでした！昴さんも安定のかっこよさでした(*ﾉωﾉ)ありがとうございました！！ (2021年10月6日 16時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
あんな - 全然大丈夫です！友達と話していて盲腸の話があがったとき、もしかしたらかっこいい秀一さんがみれるかも？？と思っただけなので（笑） (2021年9月30日 16時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - あんなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。（涙出る〜…）あ、そうだ。一つだけ…。体調不良…盲腸ではなくなってしまいました…。理由は最終話のあとがきで述べますが、そこだけご承知おきくださいませ<(_ _)> (2021年9月30日 9時) (レス) id: 9e9b5250f1 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - akiさん» こんにちは！ありがとうございます！！akiさんのお話はどんなものでも大好きなので、心配なさらないでください！！楽しみにしています(≧▽≦) (2021年9月29日 15時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aki | 作成日時：2021年4月17日 15時
