明かされた真実２ ページ19
「で、メールはなんて？」
哀が昴に問いかけた。
「バーボンです。会って話がしたいと」
「ふーん。それで？ 会わせてあげるの？」
「まさか。彼はさくらの正体を知ったようです。
混乱してるんですよ。その感情をさくらにぶつけるつもりです。
そんなことされたら…」
「せっかく快方に向かっているのに…。マズいわね。じゃあどうするのかしら？
一応バーボンはラスティーの監視対象だったわね。
監視しなければならない相手を無視するのは…」
「困りましたね…」
＊＊＊
安室は自分のスマホを見つめていた。
メールの返信は来ない。
本当に体調が悪いのか、沖矢昴によってスルーされているのか。
(まあいい。想定内だ。
俺はまず、なぜ広瀬りおが敵であるあの男の元に居続けるのか…。
それを知りたい)
翌日新出先生が往診に出かけるところを安室は尾行していた。
そして新出の診察バッグに盗聴器を仕掛けた。
認知行動療法はその時の様子を詳細に、彼女の言葉で語っているはずだ。
彼女はスコッチが死ぬ瞬間を見ているはず。
だからトラウマとして未だに引きずっているのだろう。
彼女が何を見たか知りたい。
新出が工藤邸に入っていく。
あの男に気付かれないように、小型タイプの盗聴器を仕掛けたため、盗聴した音声を受信
出来る範囲が狭い。
庭の広い工藤邸は敷地内に侵入しなければならない。
裏口からリビングがギリギリ見える、植え込み近くに移動する。
新出の声が聞こえた。
『さくらさん。体調はいかがですか？』
「はい。大丈夫です」
『では今日も、屋上にあなたが到着したところから始めてください』
「はい」
「ふたりの男の人がいます。ふたりが誰なのか確認します。スコッチとライです」
『今どんな気持ちですか？』
「少しドキドキしています」
『続けてください。』
「ふたりが何か話しています。聞こえないので近くに移動します。ふぅ……ふぅ……」
さくらの深呼吸が聞こえる。
「スコッチが銃を…銃を自分の胸にッ…はぁ……・はぁ……あ、当てて…トリガーを引こうと…ッ！
すんでの所で…ライがリボルバーを押さえます…」
『！？ ライがリボルバーを押さえただと？！』
さくらの言葉に安室は驚く。
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aki(プロフ) - コメントありがとうございます。そうですね。つらい場面が多いですね。その分闇を抜けたときの描写を大切にしてます。上手く伝わるか心配ですが…。明るい話も書きたくなって、実は番外編も近々アップする予定です。そちらもお楽しみに。 (2019年9月11日 19時) (
レス) id: 19a1a08cff (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - 想像以上に重いのですが引き込まれます。赤井さんが好きで本当にこのお話に出逢えて良かった。 (2019年9月11日 19時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - ありがとうございます！凄く嬉しいです。この後も一波乱も二波乱もありますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。 (2019年8月25日 15時) (レス) id: 19a1a08cff (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月25日 12時) (レス) id: 63b42929fa (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 失われた声４から、赤井が本名で呼ぶようになりますが、基本二人きりの時だけです。シーンの中で本名と偽名が混在してしまったので、修正しました。ご承知おき下さい。申し訳ありません。 (2019年8月21日 13時) (レス) id: 19a1a08cff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aki | 作成日時：2019年8月5日 13時
