ペリドットとアンバーvol.14【名探偵コナン】【赤井秀一】【沖矢昴】【安室透】

女神アウロラ２ ページ40

　「おっちゃんにさくらさんの身辺調査を依頼した女…！
そうだ！ 今日来た女子大生、髪型と化粧が違ってたけどあの時の……平永実代だ！」
コナンは先日毛利探偵事務所に来た女を思い出す。
印象を変えるために簡単な変装をしていたようだが、今思えば身体的な特徴は一緒だ。
同一人物と見て間違いないだろう。
なぜ気付かなかったんだとコナンは奥歯を噛みしめた。

　「何だって？！ じゃあ、その女性は小学校に何か…？」
安室が驚いたように声を上げた。
「現場に行って調べた方が良さそうですね」
昴の言葉に二人はうなずいた。




　昴、安室、コナンの3人は帝丹小学校へ。
コナンの担任である小林澄子先生に事情を話し、図書館へ向かった。

　図書カウンターのすぐ横に、《学生さんオススメ児童書》のコーナーがある。
安室は棚の中を覗き込んだ。
「怪しいのはこのブロックかな」
本を移動し、小さなライトを取り出すとブロックには触れずに観察する。
ブロックには不自然な穴がいくつかある。
つま楊枝ほどの大きさしかないが、規則的に並んでいていかにも怪しい。
横からライトを当て、その小さな穴の一つを安室が覗き込む。

　「中に配線が見えるな…トラップはなさそうだし開けてみるよ」
安室はブロックを手に取ると慎重にフタを開けた。
「なるほど…有毒ガス発生装置か。簡単な作りだが、遠隔操作で薬品が混ざるように細工されている。もし薬品が混ざればガスが発生して図書館に充満するだろう。
例えガスの発生が夜であっても、翌日子どもたちが図書館に入れば…ひとたまりもない」
(姑息な手を…)
安室は舌打ちをした。

　「つまり…この装置を写真か何かで見せられて、さくらは抵抗できずに拉致された…と言う事ですね」

　アンバーの瞳を持つさくらが《女神アウロラ》として拉致された。
それを行ったのが宗教団体。
そこまでは分かったが、いったい何が目的なのか分からない。
『光り輝く王国』がいったい何を示すのか…。
(奴らは何者で、何を企んでいる？ さくらを…いったいどうする気なんだ…)
昴は強く拳を握りしめた。

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