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博士の発明品4 ページ22

 今日の会議は理学部と関係ない話も多く、さくらは会議中ほんの少しウトウトしてしまった。
(眠くて体温が上がったせいか、何度か昴さんから安否確認のメールが来た…。
こりゃ完全な安眠妨害だわ…)
速足で歩きながら腕時計を見つめる。精度が良いのか、さくらの体の変化は寸分違わず送られているようだ。
(博士に頼んでもう少し精度落とせないかなぁ…。
教授の寒いギャグにも反応しそうでコワいわ…)
やれやれと、今日何度目かのため息をついた。


コツ、コツ、コツ…

 さくらの足音が静かな住宅街に響く。
工藤邸へと向かう道はかなり暗くなっていた。
それでも街灯が点いているので、真っ暗なわけでは無い。
時々犬の散歩をしている人や、コンビニの袋をぶら下げたサラリーマンとすれ違った。


コツ、コツ、(ザッ) コツ、コツ、(ザッ) コツ、コツ(ザッ)……

 (やっぱり…つけられてる…)

 大学を出てしばらくして、尾行されている事に気付いた。
気配を消すのが上手く、すぐに以前自分をつけ狙っていた人物だと分かる。
その時と同じ小さな小さな足音が、さくらの耳にはしっかり聞こえていた。
しかも自分よりも足音の数が少ない。
それでも一定の距離を保っているということは、かなり大股で歩いていると推測される。
(私より身長が高い…着地音も私より重たい音がする…男性…か…)
時間が遅いせいで、今までより鮮明に尾行者の足音が聞こえる。

 試しにこの先住宅街を抜ける通りへ曲がってみると、その尾行者も同じ角を曲がった。
そのままさくらは小さな公園へと足を踏み入れた。


 公園の中ほどで立ち止まる。
「さっきから私をつけてきて…何か御用ですか?」
「ッ!」
尾行に気付かれていた事に驚いた様子だった。
さくらはゆっくり振り返る。
「え…」
初めて見る尾行者の姿。
その姿は上下黒い服を着たガタイの良い男だった。
肩や腕、胸部にはガッシリとした筋肉が乗っている。
特に二の腕は小学生の腰回りほどもありそうだ。
その上異様な気を発し、鋭い眼差しを向ける。
さくらはいつになく緊張した。
男は声を発することなく、ポケットからペンのようなものを取り出す。

チャキッ

 それを下に向かって振り下ろすと、中から何かが飛び出した。
「伸縮型の警棒?!」
男の手には長さ40センチほどの警棒が握られていた。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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aki(プロフ) - レムさん» ありがとうございます!レムさんも色々な方のお話をたくさん読んで研究すれば、きっと書けますよ。 (2021年4月4日 17時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
レム - akiさん» とても作品上手です・・ (2021年4月4日 16時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - はちみつさん» はちみつさん!いつもありがとうございます♪続編はちょっとドキドキがあるかも…です(笑)私も気合い入れて書きました。お楽しみに〜! (2021年3月17日 16時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - レムさん» 劇場版をどう書くかは色々方法が有ると思います。私は純黒のその後ーという形で使いましたし、他の方のを拝読すると、劇場版の物語に上手くご自身のキャラを織り込んだ小説も有りました。是非上手な方の小説を読んで手法を真似てみるのも良いと思いますよ。 (2021年3月17日 16時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - いつもワクワクするお話ありがとうございます!!続編も変わらず応援しています!! (2021年3月17日 13時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aki | 作成日時:2021年1月27日 10時

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