毛利探偵への依頼3 ページ13
「期限は1週間。名探偵毛利小五郎の手にかかれば、この程度の調査はすぐに出来ますでしょ?」
実代は立ち上がり、「では1週間後の同じ時間に」という言葉を残して事務所を出て行った。
「ちょっと…お父さん。この依頼受けるの?」
蘭が不安そうに小五郎に問いかける。
「こうなったら受けねぇワケにはいかねぇだろ。むしろ、ちゃんとあのお嬢さんの無実を証明してやった方が良い」
「…そっか…そうだね…」
小五郎の言葉に蘭も納得する。
(あの《実代》って女性…妙に冷静で…。何か引っかかるな…)
コナンは胸騒ぎを覚え、実代が出て行ったドアをジッと見つめた。
***
数日後——
「ふぅ〜…」
小五郎はネクタイを緩めると応接用ソファーにドッカリと腰を下ろした。
あれから《星川さくら》について調べているが、これと言って気になる事はない。
ごく普通の家庭で育って、ごく普通に高校・大学と進み、その大学の恩師の元で働いている。
むしろ普通過ぎてどこも突っつくところが無い。
「強いて言やぁ…ご両親は今海外暮らし…。
娘一人日本に置いて海外とはなぁ…。まああの探偵ボウズの家も同じか。
あとは叩いてもホコリ一つ出やしない。学生や教授の間でも評判良いし…」
小五郎は調査資料をテーブルに投げ置くと、足を乗せ「あ〜あ」と伸びをした。
「んじゃ、次は行動確認と行きますか…」
伸ばした両腕をソファーの背もたれにかけると、
小五郎は部屋の時計を見上げた。
同日夕方——
(また…誰かつけて来る…。でもこの前の人とは明らかに違う…)
さくらは資料を片手に大学構内を歩いていた。
つい数日前までベルモットのセーフハウスで身を隠してから、尾行や盗撮は無かったのだが…。
今日の昼頃から再び尾行されている。
研究室や講堂、総務のある学生会館を移動する間、ずっと黒い影に付きまとわれていた。
さすがにそろそろ相手の正体を突き止めなければと思ったのだが。
どうやら気配を消して近づいてくる、先日の尾行者とは違うようだ。
(選手交代? それとも別の…?)
あらゆる可能性を模索しながら構内を歩く。
やがてさくらは建物の角を素早く曲がった。
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aki(プロフ) - レムさん» ありがとうございます!レムさんも色々な方のお話をたくさん読んで研究すれば、きっと書けますよ。 (2021年4月4日 17時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
レム - akiさん» とても作品上手です・・ (2021年4月4日 16時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - はちみつさん» はちみつさん!いつもありがとうございます♪続編はちょっとドキドキがあるかも…です(笑)私も気合い入れて書きました。お楽しみに〜! (2021年3月17日 16時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - レムさん» 劇場版をどう書くかは色々方法が有ると思います。私は純黒のその後ーという形で使いましたし、他の方のを拝読すると、劇場版の物語に上手くご自身のキャラを織り込んだ小説も有りました。是非上手な方の小説を読んで手法を真似てみるのも良いと思いますよ。 (2021年3月17日 16時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - いつもワクワクするお話ありがとうございます!!続編も変わらず応援しています!! (2021年3月17日 13時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2021年1月27日 10時