ペリドットとアンバーvol.12【名探偵コナン】【赤井秀一】【沖矢昴】【安室透】

繋がる点〜それぞれの思惑５ ページ10

「あ、実はこれ僕と梓さん、それから毛利先生からの差し入れです。最近テレビやネットでも警察叩きがすごいじゃないですか…。それまで粛々と仕事をこなしてきた時には見向きもしないで、いざ何かあると大げさに叩くのはどうかと思いまして。応援している市民もいるのだと知って欲しくて、今日は特製のハムサンドをお持ちしたんです」
さわやかなスマイルを見せながら、安室は高木だけでなく、他の刑事たちにも聞こえるように声をかけた。


　「あ、安室さん…。な、なんか嬉しいな〜…。最近聞き込みに行っても辛酸な言葉を投げられることが多くて、皆結構参っていたんですよ。そう言ってもらえると、元気出ちゃう」
高木の言葉に同調するように他の刑事たちも頷いた。

　「それは良かったです。あ。聞き込みと言えば、今はショッピングモールの事件を調べているんですか？」
安室は探偵っぽく、スマートに探りを入れる。

　「え、ええ。今はショッピングモールのマネージャーで、梨善町ビル爆破の被害者だった《草壁康夫》の事を調べているんですよ。ビルのイベント会社社長《妹尾俊彦》と繋がりがあるのではないか、という事で。
どうやら二人は違法カジノの常連だったらしくて。
今はそのカジノで二人が暴力団に目を付けられた可能性が高いと睨んでいます」
「なるほど。《妹尾》と《草壁》に接点があったと」
安室は高木の言葉に興味を示す。

　「コラ！ 高木君。君は一般人に何を話しているのかね？」
「あっ！ 目暮警部！ す、スミマセンッ！」
目暮警部に窘められ、高木刑事は背筋を伸ばした。

　「あ、僕の方こそ申し訳ない。余計な事を言ったばかりに…」
安室は肩をすくめて謝罪すると、「おじゃましました〜」と言って一課を出た。

　警視庁のエントランスで風見とすれ違う。
二人は目配せをして、お互いに反対方向へと歩いて行った。

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