第4.5章 プロローグ1 ページ33
警察学校で冴島と話した翌日。
昴とさくらはポアロへと顔を出した。
カランコロ〜ン
ドアベルの音と共に中に入ると、そこには安室と梓、そしてコナンがいた。
「あれ、昴さんとさくらさん。今日はどうしたの?」
オレンジジュースを飲んでいたコナンが、カウンター席に並んで座った二人に声をかける。
「ああ、ちょっと気分転換に。家との往復ばかりでも何ですし、コナンくんもいるかと思って寄ってみたんですよ」
だいぶ笑顔を見せるようになったとはいえ、本調調子には程遠い。
カーディナルの死後、ボンヤリしていた状態を知るコナンは心配げに声をかけた。
「さくらさん、調子はどう? 無理してない?」
さくらはコナンの問いかけにニコリと微笑んだ。
「うん、大丈夫よ。コナンくんにも心配かけちゃってごめんね。私がコントロール出来ない時は昴さんがちゃんとしてくれるから…」
「そう…。なら、良いんだけど…」
心配げに表情を硬くしたコナンの頭に、安室がポンと優しく手を置く。
「せっかく来ていただいたのですから、甘いものでもどうですか? さくらさんもお好きでしょ? そういえば…今日はあなたの好きなラズベリーのショートケーキもありますよ」
自分たちに出来ることはこうやって励まして、『いつでもどんな時でもさくらの味方だよ』と態度で示す事だ―――
安室の手はそう言っているように感じた。
「ラズベリー…? ふふふ」
さくらが嬉しそうに笑い出す。そんなさくらを昴もまた嬉しそうに見つめていた。
「安室さん、私そのラズベリーのケーキ食べたいです」
何か懐かしい事を思い出したように、さくらは安室に声をかけた。
「かしこまりました」
「じゃあ、私もそれ戴こうかな」
「え、あなたも食べるんですか?」
沖矢さん甘いものお好きでしたっけ? と、安室はちょっと驚いた顔をした。
どうやら《沖矢昴》の中の人が、甘いものを食べるイメージが無いようだ。
「ええ。たまに食べたくなりますね、甘いもの」
ニコリと微笑む顔は、いつも通りの沖矢昴の顔。
「か、かしこまりました。お飲み物はお二人ともいつもので良いですか?」
「「はい」」
なんか調子狂うなぁ…と小さく呟いて、安室はカウンターの奥へと入っていった。
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aki(プロフ) - はちみつさん» ありがとうございます!2章ではあんなことこんなこと(///∇///)少なかったですが2.5章は……キャッ♪頑張りたいと思います!4.5章では写真もアップしたい!出来るか心配ですが…。赤井さんのカッコ良くてカワイイシーンをお楽しみに〜! (2020年11月24日 15時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 少し遅くなりましたが四章完結おめでとうございます!別サイトの方も拝見させて頂いています。こちらでは描かれていなかった、あんなことやこんなこと///にキュンキュンしながら楽しませて頂いています。4.5章もあの写真の風景がどこに出てくるのか楽しみにしています (2020年11月24日 14時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - はちみつさん» わぁ嬉しいです!私もこの章を書き始めた時はそこまで詰めてなくて、書いてるうちに繋がって…私も『うわぁぁ』ってなってました(笑)4章もあと数話で完結ですが、その後もちょっとユルい中編〜本編へと続きます!個人サイトにも写真や日記有りますのでそちらもぜひ〜! (2020年11月17日 15時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - こんにちは!色んなことが繋がっていって、1人でうわぁああ!ってなってます(笑)冴島さんの優しさにも昴さんの優しさにも胸がきゅーってなりますね(涙) (2020年11月17日 14時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2020年10月20日 11時