アンバーの不満4 ページ31
「…うん…分かったわ」
昴の気遣いに、りおも頬を摺り寄せた。
「でも、今の不安を取ってあげるにはどう
したら…。あ! そうだ!」
突然りおが何か閃いたように、昴から体を
離し立ち上がった。
ちょっと待っててねと言ってリビングを出る。
やがて、考えるようなそぶりをしながら
ゆっくりと戻ってきた。
「手持ちのアクセサリーってあなたに買って
もらった《ピアス》と、自分で作った
《ネックレス》と、この《ブレスレット》の
3つしかなくて…。」
そう言いながら、チャリ…と金の細いチェーン
ブレスレットを昴に見せた。
「これ…実はノエルに買ってもらったの。
観光案内を頼まれて、公安警察が張り込みを
している中、東都タワーやショッピング
モールへ二人で行った時に。『君の瞳と同じ
色だったから』って」
「エヴァンから?」
「うん。さすがに…あなたの前でこれを付ける
のはちょっと気が引けて…。
引き出しにしまってあったんだけど。
夜寝るときに私があなたの腕にこれを付けて
あげるわ。私の瞳と同じ色のブレスレット。
おまじないと一緒にね」
他の男からのプレゼントと聞いて若干の
ジェラシーを感じたが、自分の事を気にして
引き出しにしまってあったと聞けば、それは
それで少々エヴァンが可哀想になった。
りおの手のひらに視線を落とす。
瞳と同じアンバーのビーズがきらりと光る。
一緒に揺れるシトリンも、日に透けた時の
りおの瞳にそっくりだった。
「このブレスレットで…私に暗示をかけて
くれるのですか?」
興味ありげに、昴はりおの顔を覗き込む。
りおは「そんなに期待しないで」と両手を
ひらひらと小さく振った。
「暗示…と言って良いのか…。おまじない
程度よ。私がそばにいなくても安心できる
ようにね。効果があるかどうかは分からない
けど…まずは試しに…ね!」
何か妙案があるらしい。
りおはニコリと微笑んだ。
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aki(プロフ) - タロさん» タロさん、コメありがとうございます! そう言っていただけると励みになります♪嬉しくて小躍りしてます(笑) 長いお話ですが、どうか最後まで楽しんでくださいませ〜! (2022年8月14日 23時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
タロ - 活動していっていただけることを祈っております。 (2022年8月14日 21時) (レス) @page27 id: a474c24b23 (このIDを非表示/違反報告)
タロ - どストライクで一気読みをしております。どうもタロです。赤井さんとりおちゃんのこの先がとても気になり毎この小説を日楽しみに数十話ずつ読んでいます。ささやかではありますがかげながら応援させていただきますので、お方だにきおつけ (2022年8月14日 21時) (レス) @page27 id: a474c24b23 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - コメントありがとうございます! そしてお帰りなさいませ(笑) 最初から読んでいただいたとの事。1年前の文章は読んでて恥ずかしくなる程下手ですが…。(今もさほど変わっていませんけど…)楽しんで頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2020年7月13日 9時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
セキア(プロフ) - だいぶ前に拝見させていただいたことがあり、続きが出ていることに最近気づきました!!最初から一気に読んでしまいました、素敵な話をありがとうございます!!続きを楽しみにしています^o^ (2020年7月13日 2時) (レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2020年5月27日 13時