涙そして決意4 ページ43
赤井は壁の血の跡をシャワーで流し、止水栓を回す。
脱衣所のタオルで止血し、髪や体の水分を拭った。
もしかしたら彼がさくらを連れてここを訪れるかも知れない…。
変装をしてリビングに戻った。
「あれ、また変装したの?」
カフェオレを飲みながら、周辺の地図を広げていたコナンが驚いている。
「ええ。実はさっき西の大通りでRX-7がUターンしたのを見かけたんです。
誰が乗っているかまでは見えなかったのですが…。
もしかすると公安の彼が、さくらを連れてこのあと来るんじゃないかと思って」
よく見ると昴の右手に絆創膏が貼られていることに気付いた。
さっきの大きな音は…それか。
利き手じゃないのがせめてもの救いだな…。
赤井さん、さくらさんのことを…。
コナンは昴にかける言葉を見つけることが出来なかった。
***
RX-7をUターンさせて新出医院に急ぐ。
疲れたのかさくらはシートに完全に体を預け眠ってしまったようだ。
医院に到着したのでさくらに声をかける。
「ん…」
僅かに目を開けた。視線が合った事を確認して「新出医院につきましたよ」と
もう一度伝える。
「えっ…あぁ…ありがとうございます」
さくらは慌てて車から降りようとした。
「あ、待って」
安室はさくらの肩を掴み制止する。運転席の後ろから傘を出し、車外に出た。
傘をさして助手席側にまわりドアを開けた。
「まだ雨が降っています。これ以上濡れないように」
ふたりで傘に入り医院の入口まで歩いた。
自動ドアが開き、中に入ると丁度先生が待合室のテレビを消そうとしていた。
ずぶ濡れのふたりの姿を見ると「ちょっとまってて!」と言ってバスタオルを取りに走った。
パタパタと小走りに戻ってくるとタオルを手渡した。
「これ飲んで温まって」
待合室に入ると、新出先生はホットミルクを持ってきてくれた。
「すごい雨だね。こんな日は全然患者さんが来なくて開店休業状態だよ」
他愛もない話をしているのはさくらの緊張をほぐす為だ。
さくらが何をしに来たのかなんて、先生にはお見通しなんだろう。
さくらの長い髪はたっぷり水分を含んでぽたぽたと雫がたれた。
安室はさくらのバスタオルをそっと手に取ると髪を包み優しく拭いた。
さくらは驚いて安室を見る。
「そんな、大丈夫です」
「僕にもこれくらいはさせてください」
安室はさくらの髪を拭き続けた。。
(あなたの体が辛い時、何もできなかったから…)
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時