涙そして決意２ ページ41
「でも、組織の裏切り者の死やターゲットの死がトラウマになっていますなんて、一般の医療機関で言える？ 結局私は見て見ぬフリをした」
そこまで言って、ベルモットはふう〜っと長くタバコの煙を吐き出す。
「ラスティーを頼むわね」
そう安室に声をかけた。
ベルモットのセーフハウスから出て、安室は車に乗り込む。
だがすぐに発進できずにいた。
さくらの体調がだいぶ悪かったと知って、どうして一緒に食事をした時に気付いてやれなかったのかと後悔した。
しかもあの男がさくらのそばで支えている。
悔しさでどうかなりそうだった。
会えなくてもいい。とりあえず近くまで行って…。
そう思い立って、車のエンジンをかけ阿笠邸へと向かった。
米花町に入ってじきに雨の中傘もささずにフラフラと歩いている女性が目に止まる。
(あれは！)
安室は慌てて車を路肩に停め、ハザードをたく。
車から降り女性に駆け寄った。やはりさくらだった。
「ッ！さくらさん！どうしたんですかッ！」
とっさに彼女の両腕を掴む。
ハッとしたようにさくらは顔をあげると「…あ…むろ…さん？」と小さく呟いた。
「とにかく車に！」
そう言って彼女の手を引くと助手席側のドアを開けてさくらを乗せる。
ドアを閉めて自分は運転席に急いだ。
ほんの数分だったがかなり濡れた。
この雨の中彼女は一体どれくらい歩いていたのだろう。
ずぶ濡れになったさくらの体は冷え切っているようだった。
自分の着ているジャケットを脱ぎ、さくらに掛けてやる。
「どこに行くつもりだったのですか？ 博士たちは知っているのですか？」
優しく問いかける。さくらは黙ったままだ。
何か考えがあって雨の中出てきたのだろう。
おそらく誰にも告げずに。
自分から話し始めるまで黙って待っていた。
「安室さん」
掠れた小さな声で名を呼ばれた。
「はい」
安室は優しく返事をした。
「私を新出先生のところに連れて行ってくれませんか？」
彼女が何を思って出てきたのか察した。
「分かりました」
そう答えて安室は車を発進させた。
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (
レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aki | 作成日時：2019年7月17日 19時
