限界を迎えて4 ページ22
何日も食事が喉を通らなかった上にこの高熱だ。無理もない。
「実は先程もやったのですが…。そのときはあまり意識もありませんでしたね。
まあ…お叱りは後でちゃんと受け付けますから」
そうさくらに伝え、ペットボトルの液体を口に含むと先ほどと同じようにさくらの口に流し込む。
熱で朦朧とているとはいえ、前より意識がハッキリしているさくらは目を丸くした。
かといって彼を押し返す力もなく、
ましてや体が欲している水分を与えてくれる
彼を拒む理由は無かった。
「ん……ん……ん……」
ゆっくりと注がれる液体は昴の体温をまとって生温かい。
それでも乾いたさくらの体には、じわりじわりとその液体が染み込んでいく。
まるで砂漠の砂に水が染み込む様に…。
もっと…もっと…
ねだるように昴の唇を追いかける。
飲みきれなかった水分が口端からつうっとこぼれた。
何度か繰り返すとお互いに息が上がっていた。
「満足できました?」
それでも余裕の表情で問う昴に、はぁはぁと肩で息をするさくらは
目を逸らしたまま頷く。
昴はクスッと笑い「役得でした」といって彼女を再びベッドに寝かせた。
「まだあなたの唇は燃えるように熱かった。
夜明けまでまだありますから、もう少し眠ってください」
氷水ですすいだタオルを額に置くと、「おやすみなさい」とさくらの耳元でささやく。
「私はあなたのすぐ隣にいます。手を握っていましょうか?
どこにも行きません。安心して眠ってください」
昴の言葉にさくらの心は満たされていった。
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時