はじまり6 ページ6
留守番役が迷惑そうな顔をして出て来た。
「申し訳ありません。他のお部屋のお客様から、こちらの部屋に何か匂いの強いものが運び込まれているとクレームがありまして。
ちょっと確認をさせていただけないでしょうか?」
安室がそう切り出すと、留守番役の男は以前に運び込まれた「臓器」のことを言われていると思い込んだ。
「ななな、何言ってやがる。そんなものはねえ!」
男は明らかに動揺し始めた。
「そう言われましても。クレームが来ている以上こちらも確認をさせて頂かないと困ります」
「どこのどいつだ! そんな言いがかりつけてくる奴は!」
こんな押し問答が延々続く。
こちらの思惑通りに動いてくれるこの男と、しばらく楽しめそうだと安室は思った。
部屋の出入り口でホテルマンと言い争う声が聞こえた。
始まったな…そう察知して、さくらは通気口から室内に入った。
すぐさまデスクにあるPCに電源を入れる。
PCが立ち上がると自身のタブレットと繋ぎ細工を施す。
あっという間にパスワードが表示された。
パスワード入力画面にそのワードを入力すると、そこには麻薬や銃火器のリストの他に、「顧客リスト」や「臓器移植適合者一覧」の文字が並ぶ作業画面が映し出された。
すべてのデータをUSBにコピーしていく。
要した時間は数分だ。
USBメモリを抜いて全ての痕跡を消し去った後、PCの電源を落とす。
タブレットをボディバッグに仕舞うと元来た通気口へジャンプし、スルリとその中に体をすべり込ませる。
そっと蓋を締め、インカムをonにして作業終了を伝えた。
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時