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悪夢のはじまり2 ページ30

 「臓器売買の情報はどうやって公安にリークしたんですか?」
昴がさくらに訊ねた。
通常、組織の目をかいくぐって届ける情報は人づてに行う。
公安部の精鋭が変装し、二〜三人を介して最終的には風見裕也の元に届く。
その後はゼロを通して裏の理事官の元に届く。
現在ゼロである降谷零はNOCの疑いを払拭するために本庁には戻れていない。
降谷以外のゼロ所属の者に預けられたはずだ。

今回情報を届ける際に運び屋をした者を調べる必要がある。
こうなれば風見と会うしかなさそうだ。
しかしこれはリスクが伴う。
風見は降谷の直属の部下だ。おそらく今回のことで降谷と風見は連絡を取り合っている。
鉢合わせだけは避けたい。

 そこまで一気に話すと、さくらはふぅとため息を漏らす。
その様子を見てコナンが疑問を投げかけた。
「どうして同じ部署に所属しているのに、安室さんに知られちゃいけないの?」
「共倒れにならないため…さ」
昴が代わりに答えた。


 「彼は以前同じ公安の仲間を失った。その時の彼の動揺は相当なものだった。
さくらが必死でジンの気をそらそうと、ビジネスの話を持ちかけたくらいには」
「だからね…」
今度はさくらが答える。
「万が一私が死ぬようなことがあっても彼が動揺しないように。公安であることを隠すことにしたの。
元々私は別の組織に潜入していたし、本来三名も捜査官を潜り込ませる必要は無い。
彼に知られる前に離脱予定だったっていうのもその理由。
このことは理事官も風見さんも承知している」
昴とさくらの話を聞き、公安だってバレなかったとしてもさくらさんに万が一のことがあれば安室さんは動揺するよ…。
コナンは先ほどの安室からの電話を思い出していた。


***

 ブーッブーッ

スマホのバイブが響く。電話の相手を見ると安室透とあった。
「コナンくん? 安室です」
声はいつにも増して緊張しているように聞こえた。
「あ、安室さん。こんな早くにどうしたの?」
早朝の電話だ。何かあったに違いない。それでも努めていつも通りの受け答えをした。
「さくらさんの様子はどうだい?」
と問われ、彼女に関係することだとピンときた。

 「3日前まで高熱を出して大変だったけど、今は熱も下がったよ。
ただ、ここ何週間もご飯を食べられなかったみたいで。
体力の回復にはもう少しかかりそうって。
心の治療も体がよくなってからって言われたよ」
嘘偽りなく伝える。
電話の向こうで安室が驚いた気配がした。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時

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