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まさかの理由 ページ26

案内されて家まで着くと、少し遅れて戻ってきた女の子の父親。

笑顔で手を振る娘を見て、安心したのか勢いよく抱きつきにかかる。

「この子達が連れてきてくれたんだよ」

「彼らが!?」

そして母親側から事情を聞くと、慌てて俺達の方に土下座を始めたお父様。

とはいえこのままだとまた隣の彼を裏切りそうだったんで、今回はすぐに顔を上げて貰いました。

なのでそんな怖い顔で俺を睨むのはやめて下さい炭治郎さん。

「次やったら頭突きするからな」

「...それ俺死ぬのでは?」

なんて大胆な殺人予告。

「ありがとうお兄ちゃん達!」

そんな謝る父親に倣い、笑顔でお礼を言った女の子。

所々で強靭なメンタルを見せつけてくれたが、幼いながらもよく頑張ったと思う。

「どういたしまして」

「もう迷うんじゃないぞ」

俺達も争うのをやめて返事をすると、彼女は元気よく頷いた。

その後父親に頭を撫でられる彼女を見ていると、奥から母親が、お茶と菓子を手に俺達の元までやって来て。
お構いなくとは言ったが、ご丁寧に用意してくれたらしい。

せめてものお礼だと言う彼女に、俺達はそんなと首を横に振る。

「俺達こそ勝手にお邪魔してしまって...」

そして炭治郎が率先して謝れば、助けてくれたんだから当然だと父親に言われてしまった。

いただきますと礼をしてからお茶を手に取る。

「それに、元はと言えば鋳掛屋に現を抜かした俺達が悪いんだからな」

「え"、」

だが聞こえてきた単語に、俺は口元まで持ってきていた手をピタリと止めた。

湯飲みを下ろし、話を聞こうと顔を上げる俺。
...なんだろう、嫌な予感しかしないな。

「あの、その鋳掛屋というのは...」

尋ねようとすると、「あ!」と先に声を上げた炭治郎さん。

その様子を見るに、思い当たる節があるらしい。

「俺知ってます!中央の方ですよね!」

俺も気になってたんですと炭治郎が伝えると、たちまち「君もか」と同意し始めた目の前の夫婦。

いや君もかて。
親父が人気とか何それ引くわと思っていたのだが、なんでもこの街にはそもそも鋳掛屋は滅多に来ないらしい。

稀に来た日はああやって多くの人が集まるんだとか。

「私らみたいな端の家に住むもんは皆競走になっちまってね...」

残念そうに嘆く両親と同情する隣の好青年がいる中、俺は一人声に出したい衝動を抑えるので必死だった。

これが外の、それも一人だったなら確実に叫んでいただろう。

いや親父のせいかよ!!!と。

とばっちり→←任務達成問題発生



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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主 , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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みかん - もう公開はしないのでしょうか…凄く見たい…また公開にするような機会があることを願ってます!非公開にした理由が深いのなら作者様はこのコメント無視して頑張ってください!! (2022年1月9日 12時) (レス) id: bc2584c695 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 素晴らしいの一言に尽きます...素敵な作品で楽しく読ませていただきました。最新頑張ってください。陰ながら応援してます...(´∀`) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 000b312b5b (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - まだ(# ゚Д゚) (2020年3月10日 17時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 続きまだ? (2020年2月29日 20時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
佐藤悠真(プロフ) - 微笑ましいに尽きますね。いつもホワホワしながら読まさせていただいております。更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: 44efc3fddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Syu | 作成日時:2020年1月16日 21時

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