任務達成問題発生 ページ25
家の前へと来てみた先で、辺りをきょろきょろ見回してた人。
隣に従い声をかければ、彼女はこの子の母親で。
「ばか!勝手に一人で出歩くんじゃないよもう!」
「ごめんなさいお母さん、ただいま!」
感動の親子の再会に、俺と炭治郎は目を見合わせて頷き合う。
道中色々あったけど、どうにか目的は達成されたようだ。
「よかったなぁあの子...」
「だな」
抱擁を交わす母と子を見て、安心からほっと胸を撫で下ろす炭治郎。
鼻が利くとはいえ、無事に辿り着けるか不安だったんだろう。
なんなら途中俺がガンガンに振り回したし。
あれは正直すまんかった。
(にしても...)
考えつつ、俺は隣で微笑む炭治郎を見やる。
成り行きのまま結局最後まで頼ってしまった...。
仕事に支障が出ないよう、何かしらの形でお礼が出来ればいいんだけど。
(というかしないと俺の気が済まない!)
推しに迷惑をかけるモブ1とか流石に笑えなくない?ここは意地でも何かさせて貰おう。
別にもうちょい推しと居たいなぁとかそんな下心は一切ありませんよめっちゃあるけど。
「あのさ、たん──」
なんて下心満々の想いから話しかけようとした瞬間。
「あんた達!!」
「「はい!!」」
突如母親に呼ばれ、俺達は反動でその場に直立する。
思わず返事しちゃったよおい。
(圧力がエグい...!)
これ誘拐犯と間違われたりしてないよね!?大丈夫だよね!?
最悪平手とか食らいそうですけど!?
などと思っていたのだが、どうにも俺の心配は杞憂だったらしい。
「娘を連れてきてくれて本当にありがとう」
静かに頭を下げ、俺達へ丁寧な謝罪をするお母様。
深々としたお辞儀と感謝の言葉は大人の対応そのもので、未だ追いつけていない俺達は揃って少しの間呆ける。
そして現状を理解する事数秒。
「いやいやいやいやいや!!」
俺は全力で首を横に振ると、大慌てで炭治郎を指さした。
「こいつです!案内してくれたのは竈門炭治郎なんです!!」
「なっ!?」
そして俺が躊躇なく裏切ると、余程慌てたのか声を大にして詰め寄ってくる炭治郎さん。
いや近づいていいんかい!!
「おいAそれは無いだろう!?そもそもこの子を最初に泣き止ませたのはお前で...」
「ばっか俺は関係ねぇよややこしくすんな!!」
「ややこしくしてるのはそっちだろ!?」
その後も負けじと言い合いを続けた結果、俺達は痺れを切らしたらしいお母様によって、半ば強引に彼女の家まで連行されたのだった。
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みかん - もう公開はしないのでしょうか…凄く見たい…また公開にするような機会があることを願ってます!非公開にした理由が深いのなら作者様はこのコメント無視して頑張ってください!! (2022年1月9日 12時) (レス) id: bc2584c695 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 素晴らしいの一言に尽きます...素敵な作品で楽しく読ませていただきました。最新頑張ってください。陰ながら応援してます...(´∀`) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 000b312b5b (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - まだ(# ゚Д゚) (2020年3月10日 17時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 続きまだ? (2020年2月29日 20時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
佐藤悠真(プロフ) - 微笑ましいに尽きますね。いつもホワホワしながら読まさせていただいております。更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: 44efc3fddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Syu | 作成日時:2020年1月16日 21時