仕事とアクシデント ページ13
そして話は少し変わるが、驚いた事に父は意外とこの町の人に人気があるらしい。
まだ来て十数分だと言うのに、さっきから様々な人が家から出てきては父の元へと集まっている。
まぁ正確には父さんじゃなくて「鍋」目当てだけどな。可哀想だから言わないけども。
「これお願いしてもいいかしら?」
「あ、はい!」
そして何故かは分からないが、お客の中には父さんを通さず直接俺に頼んでくる人もいて。
「ありがとうございます」
前世のバイトで培った全力の営業スマイルと才能(笑)を見せれば、皆感心した様に俺を褒めちぎってくる。
...別に悪くないなとか思ってないですよ?
来るお客さんが女の人ばかりでちやほやされて嬉しいとか、そんなん全然オモッテナイ。
「まだ幼いのに偉いね」
「いえいえ」
すいません嘘ですめちゃくちゃ楽しいです。
美人に頭撫でて貰ったんだけど何これ最高かよ。
ちょっとなんでもっと早くこの仕事教えてくれなかったんですかお父さん。
鍋の修理とかいうこんなにも偉大な仕事を独り占めしてたなんて!(突然の変わり身)
「おいA!お前じゃなくて鍋なんだからな人気者は!」
隣で父が喚いてるけど聞こえないわ。
あれですか?さっきの自分へのブーメランですか?
そんなんだから嫌われるんですよ。
てかハルといる事で霞んでたけど、一応俺も顔は整ってる方なんだよな。現に女の人ばっか頼んで来てお菓子とかもくれるし。
さっきなんて内緒だとか言ってキャラメル大量に貰ったんですけど。
この時代じゃかなり高いやつじゃない大丈夫?
「なぜお前ばかり....!」
因みにお父様はそんな俺を終始羨ましそうな目で見てきました。めっちゃウケる。
てかあんたには美人な奥さんがいるじゃんかよ。
欲張りすぎるとバチが当たるぞ?
(けどまぁ、結構修理もしたし)
俺はあくまで剣士希望だからね。
今日は泊まりって聞いてるし、父の威厳を守る為にもここらでひとまず逃げるとしよう。
「ちょっと町見てくるわ」
夕方までには戻ると伝え、俺は許可を貰うと自分用の工具箱片手にその場から離れる。
貰ったお菓子も一緒に詰めたし、これはハルと母さんへの土産だ。あと俺のつまみ食い用。
「さて、どこに行くかな」
辺りを見回しつつ、何を買おうか考える。
金ならさっきの売り上げがあるし、買うなら特訓に使える物一択だけど。
なんて思っていたその時。
「お母さんどこぉっ.....!」
「へ?」
小さな女の子が、突然俺の服の袖を掴んできた。
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みかん - もう公開はしないのでしょうか…凄く見たい…また公開にするような機会があることを願ってます!非公開にした理由が深いのなら作者様はこのコメント無視して頑張ってください!! (2022年1月9日 12時) (レス) id: bc2584c695 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 素晴らしいの一言に尽きます...素敵な作品で楽しく読ませていただきました。最新頑張ってください。陰ながら応援してます...(´∀`) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 000b312b5b (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - まだ(# ゚Д゚) (2020年3月10日 17時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 続きまだ? (2020年2月29日 20時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
佐藤悠真(プロフ) - 微笑ましいに尽きますね。いつもホワホワしながら読まさせていただいております。更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: 44efc3fddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Syu | 作成日時:2020年1月16日 21時