19話 それで良いのか!? ページ19
「その時に良雄の魂が分裂した。貴族を倒すことは非常にいけないことだからだ。」
「先まで見越すとその魂の破片が今優良に取り憑いている可能性が高い。そう言いたいんだな?」
「理解が早くて助かるよ」
そう言ってコイツは本を閉じ、元の場所に戻した。その途端ゆっくりと岩が閉まっていった。
「いつ持っていくんだい?」
「持っていくとは。」
「異世界に」
そう言った瞬間俺は真顔になった。
「今すぐにだが。」
「そうか。では氷良も連れていけ。」
「父さん!!??何故認めるんだ!?」
そう言ってガキが身を乗り出した。
「黙りなさい。こっちの世界の方が今、危ないんだよ。」
「魔物が入り込んできているからな。」
俺が補足した。その瞬間氷良が首を凄まじいスピードでこっちに曲げて聞いてきた。
「何故?」
「あっちに欲がなくなりつつあるからだ。あっちの教育が効いてきているからな。」
魔界は毎年減り続けている魔術師の人数に対し、人口は増え続け、非魔術師が増え続けていくと魔力のコントロールが難しいためどんどん魔物が増え続ける。そうして混乱が起きた。
それから向こうの政府は魔物のことを小学校から教科を増やして教え始めた。そうすることによって欲が減り、魔物が減っていった。しかし魔物は通界に入る方法を知ってしまった。これにより最近魔物がこちらの世界に入ってきてしまっているのだ。
「しかしこっちには魔力はないはずだろう。」
氷良が顔を顰めて聞いた。
「魔物はまた進化し、魔力を人間の欲を使い作った。そのことにより魔力という存在がこっちにもできたんだよ。」
「しかしそれならこっちの世界にも魔術師がいた方が良いのでは?」
「いるさ。お前の両親とかな。」
俺が言った瞬間氷良は見開いた。
「嘘だろ。俺そんなこと聞いてないんだけど。魔力に関する知識を持っているだけじゃなかったのか?」
「聞かれなかったからな。」
だめだこりゃ。親子共にバカだな。
「いや普通言うでしょ!だからか、だから俺のこと鍛えることが可能だったわけだ…でも待て?それだと優良がこっちにもいた方が良いのでは?だってこっちには父さんもいる。」
「あっちの方が教育機関があるからしやすいんだよ。」
「術真のことですか。ってつまり!!」
「お前と一緒に暮らせるってことだな。」
そう言うと目を輝かせた。
「よし決まり!!優良は俺と一緒に魔界に戻る!!」
この場にいる氷良以外全員がこう思っただろう。
チョロいな濠柊氷良。と
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crisis(プロフ) - 番外編のideaとかありましたらどうぞ。フラグに引っかかるものは遠慮させていただきます (2021年7月21日 10時) (レス) id: 585a6af1b9 (このIDを非表示/違反報告)
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