いきなり異世界に飛ばされたんだが！？ 第一章

16話　あれ？ ページ16

ピーンポーンパーンポーン。


「ありがとうございました〜」

やっと帰れる。の前に部活があったか。なんか眠いな。

「優良〜？部活行こうぜ。」
「うん！ちょっと待って！」

あれ？この会話やったよな。

「今日は何描くの？天才さん。あ、そういえば昨日の絵を見せてよ。」
「はぁ？天才じゃないし。つかマジで黙れ。」
「またまた照れちゃってw」
「しばくぞ」
「で，絵〜見せて？」
「ん」

やっぱ上手い。実は琉藍は色々なコンクールで優勝してる。独特な世界観が評価されてるんだ。

「今回は砂漠？」
「あぁ。世界の果てに誘拐されて脱出しながら復讐しようっていう。」

そう。世界観がかなり怖い。でもそれをぜつみょうに曖昧にさせて表現してるからこれまた良い。

「これ出したら？コンクール。」
「これは出さない。お前にあげる。感謝しろ。」
「…」
「い、嫌だったか？」






「うぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ！！？？っっしゃぁぉ！！！最高！！！！！！！神！！もらうね！！！？？？一生神棚に飾るね！！」

そう。僕は声が枯れるほどの発狂の準備をしていたのです。

「嫁になって！？」
「は？頭おかしい？」

「なぁ、やっぱこの会話前したよな！」




「は？」
「だって嫁になってって言ったし。」
「そんなこと1ミリも言ってねぇよ？」
「でも…！」
「何処の男と勘違いしてんの？絵、描こうぜ」
「うん。」


モヤモヤしながら絵を描いた。
そして僕は家に帰った。




リュックを投げてベッドに飛び込んだ。

「意味わかんねえよ。もう意味わかんなぇ！！！！」

ヤバい、泣けてきた。昔からこうなんだよなぁ。勉強以外のことで意味が分からないことが多過ぎたらいつも泣いちゃう。
いつもいつも。情けなさ過ぎんだろ。高一にもなってこんなの情けなさ過ぎてマジヤバい。
昔はこんなのじゃなかった。もっと気が強かったのに！！一人称も昔は俺だったし。




「もう嫌…！」



昔だったら教えてくれたのに！昔だったら包んでくれたのに！昔だったら聞いてくれたのに！昔だったらいてくれたのに！昔だったら助けてくれたのに！昔だったら、昔だったら、

「昔だったら！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」








「助けてよ。お兄ちゃん…」

自分からこんなか細い声が出るのかというほどの声だった。









僕がこんなのになったのには…









僕の兄ちゃんが死んでからだ

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