3話 うるさい ページ3
榛原 頼だ。
「うるさい、どうしたの今日は。つか陰キャの真似全然できてないからね。」
こいつは俺の幼馴染。だけど正直言うと少し苦手だ。
まぁ好きなところもあるんだけど、それでも陰キャを馬鹿にしてくるところは大っ嫌いだ。やっぱ苦手じゃなくて大嫌いで。
「陰キャってこんなのじゃないの？」
「どうしたらそうなんだよ…。」
ほんとに理解し難い。横に陰キャの中でも底辺な奴がいるのに勘違いしてやがる。許せん。
「え？だって陰キャって初対面の人には明るくなるんでしょ？」
「それはキャラ作りな。まぁでもそんなことしてる奴は陰キャじゃないわ。」
因みに俺は初登校のその日自己紹介があったのだがその時点で完全に避けられました。まぁ別に良いんだけど。
陰キャはボッチでも何の苦もないんだよ。逆に「ごめん、龍仇さん一人でも良い？」って言われた時には「あっ大丈夫です。」と心の中でガッツポーズをしていたものだ。
「ぇぇ？じゃあ初対面の人とかと話す時に最初に「あっ」とか話す人いるの？」
「いるよｯ！！目の前にな！！」
このようにして近づくな陽キャが寄ってくるだろ！と言うのを遠回しに伝えているのだが、それで簡単にこいつが退いてくれたらこんなに俺は苦労しない。
「へ？目の前？なんのこと？」
そう。こいつはわざとなのかそれとも本当に分からないのかいつもなんのこと？と聞き返してくる。
もしこいつが本当に分からないのであれば多分こいつは自分の友達＝陽キャ、だと勘違いしているに違いない。いや、絶対に勘違いしているだろう。もし、これがわざとなので有れば多分俺は容赦なく締めるぞら、完全に俺の事馬鹿にしてんじゃねぇか。
「あっ！もうチャイム鳴るじゃん！！じゃあな！！」
そうしてあいつは自分の席に帰っていった。そしてその途端あいつの周りには人集りが。
「だ、大丈夫ﾌﾞｯ！？」
「うおっ！！」
いきなり後ろから肩を突かれて飛び跳ねる。
「アッ、ご、ごめんなさいィ！」
「お前影薄すぎんだろ…。」
こいつは緩羽 爽。名前の爽やかのその感じとは少し違う感じが女の子にはモテる…らしい…？ギャップがあっていいらしい。
だが君たち女の子諸軍に俺は勝ったんだよね。なぜならこいつが俺と同レベルの陰キャandコミュ障と言う最悪unhappy setを持っているからね！
「そ、それなら良いんだけど昨日の奴リアタイで見た…？」
「見た。神だった。」
この会話から勘の良い人は勘づいただろう。
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