Graduate(短編) (ページ9)

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不思議な関係 R.F ページ9

〈ねぇ見て！藤井先輩だよ！〉

毎日何度この言葉を聞いただろう。

私の学校では学校1のイケメン2人、ツインタワーがいる。

3年の藤井流星、1年の小瀧望。

〈Aも大変だね、あんなイケメンの姉で。〉

そう、私の弟は小瀧望。

〈姉ちゃん姉ちゃん！今日流星家来るからー！〉

「はいはい、お姉ちゃん先帰ってるね。」

『ええやん、一緒に帰ろうや。』

そして私は藤井先輩に懐かれている。

〈なんであの人がツインタワーと一緒にいるの？〉

〈小瀧くんのお姉さんだからって、
ツインタワーと仲良くできるって羨ましいー〉

…これもいつもの事。

確かに望の事は大好き。

藤井先輩も良く家に来るけど、別にそれだけだし。

〈姉ちゃん！帰ろー！〉

「あ、望、それに藤井先輩も。」

『よ。今日望の家でゲームやんねん。』

「そうなんだ。」

『おん、だから3人で帰ろ。』

なぜ3人で帰る必要があるんだろう…。

電車通学の私たち姉弟と違って、藤井先輩は自転車通学。

今日はうちに来るからって電車で来たみたい。

電車に揺られてると、ふと違和感。

私たちの乗った電車は満員電車ではあったけど、まさか…？

どんどんやって来る違和感にだんだん気持ち悪さを感じてきた。

(どうしよう、望助けてよ…！)

と思い望を見ても、望は藤井先輩と盛り上がっていて全然こっちに気付いてない。

もうどうしようと思っていたら、

『Aちゃん、大丈夫？
顔色悪いけど、もしかして…？』

声も出せずにただコクコクと首を縦に振る私を見て、

『ちょっとこっち来。
おいおっさん、俺の彼女に何してくれてるん？
とりあえず、話は次の駅で聞こか。』

と、その人の手首を掴んで次の駅で私たちとその人は降りた。

〈姉ちゃんごめんなぁ！俺が全然気付かんくて！〉

と涙目で謝る望と、

『はい、お水。
もっと早う頼って欲しかったわ、何もされて…ないわけないか、どこ触られたん！』

ってお父さんの様に質問してくる藤井先輩。

「藤井先輩、ありがとうございました。
望もありがとね。」

『俺、明日から電車にするわ。
Aちゃん心配やし。
望やって朝練あるから毎日一緒とはいかんやろ。』

そうやって、私と藤井先輩の2人で登校する日が始まった。