Graduate(短編) (ページ4)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:3,768 hit

→ ページ4

結局昨日は照史先輩の発言がショックで一睡も出来なかった。

けど卒業式はやっぱり待ってくれなくて、バタバタと準備をして学校に向かう。

ーカランカラン

『いらっしゃいませー、ってAちゃん！』

「こんにちは、照史先輩。」

『ちょっと今立て込んでるからもうちょっと待っとって！』

はーいと返事をしながら空いている席に座る。

普段お客さんとしてこの店に入ったことないから新鮮な見方。

照史先輩がレジをやってるのもこうやって見た事ないな…

カッコいい…

そんな時同じバイトの子から

〈これ、桐山先輩から…〉

と出された1つのマグカップとケーキ。

え！？と思って照史先輩の方向くと

『もうちょっと待ってて』って口パク。

バイトの子が持って来てくれたのは、

今限定の桜をモチーフにしたドリンクと、

桜色でイチゴのチョコがかかったシフォンケーキ。

普段なら期間限定商品をすぐ買う私だったけど、

これはどうしても卒業してから買うって決めてたやつ。

「照史先輩、覚えててくれたんだ…。」

また照史先輩を好きになってく…。

気付けば外も暗くなってきた時、

『ごめん、お待たせ。』

と少し急いで来た照史先輩。

「あ、大丈夫ですよ、あ、じゃあお会計…」

〈お金は照史くんからもらってるよー〉

と笑顔で言う店長。

「え、照史先輩、悪いです。お金払います。」

『ええのええの、卒業祝いってことで。
それじゃ行くで、お疲れ様でしたー。』

って私の話も聞かず手を掴んで歩く照史先輩。

「あれ、今日バイクは？」

『ああ、今日は歩き。
Aちゃんと話したいこともあるし。』

ああ！さっきまで忘れかけていたことを！！

『なぁ、Aちゃん。
昨日言ってた話、覚えとる？』

「…はい。」

『俺な、その子に告白しようと思うねん。』

「…そうなんですか。」

『Aちゃん、好きや。』

「え、私！？」

明らかに驚きを隠せない私と、緊張してる照史先輩。

「え、照史先輩、昨日好きな人いるって…」

『え、Aちゃんの事やけど？』

…

「え！？」

『え、昨日の話でなんとなくそうやって思わんかった？』

「昨日、照史先輩に好きな人がいるって聞いてショックでその後の話全然聞いてなくて…」

『えー！嘘やん、あんな頑張ったんに…』

と照れ始める照史先輩。

『ん？俺に好きな人がいてショックやったん？』

と今度はニヤニヤする照史先輩。

悔しいから、背伸びして照史先輩にキスする。

「好き。」