heartburn【国見英】 (ページ11)

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体育祭当日。
結局なんだかんだ、学校に来てしまった私たち。ちぇっ、国見と二人で抜け出して、デートでチュッチュするつもりがあっ。

でも私のサボり作戦は潰れちゃあいない。こんなの、途中で消えてしまえばわからない。
私の勝ちだね、なんて思っていたのに！

『は、結局試合出んのかよ』

補欠の国見が、何故かバレーの試合に出るらしいのだ。

何があったのか知らないけど、本人は相当嫌がってるだろうな。あの嫌そうな顔が容易に想像できる。多分チームメイトにでも無理やり引っ張られたんだろう。

こっそり二人抜け出して遊んでこようと思っていた計画も、国見の一件で共倒れだ。

仕方ないから、一人体育館のギャラリーに上がって、その姿をぼんやり眺める。

相手は二年生。向こうにもなんとかってバレー部の先輩がいたっけ。名前は知らない。

試合が始まって、私の目は自然と国見を追う。
なんだ、案外ちゃんとやってるじゃんか。
というか、普通に活躍してる。普段との温度差が半端ない。

ダメなんだよなー、こういうの見ちゃうと。
これ以上惚れさすなよ国見め。

あー、好き好き。大好きだーー……。
私の脳内が国見で溢れ返り出した時。

「大好きーって顔してるね」

『そうそう、まじでだいす……きっ！？え、及川先輩！？』

突然上から声が降ってきて見上げると。
前に少しだけ話した、あの及川先輩が、例の胡散臭い笑顔で隣に腰を下ろした。

『え？先輩なんでここに、』

「ん？Aちゃんぼっちで可哀想だなーって」

『うわあ毒舌。いいですよー、私には国見がいるんで』

「惚気？お熱いねぇ」

『余裕で私の片思いですけど？』

ふん、と顔を背けてそう言うと、及川先輩はちょっと驚いた素振りをした。

「え、二人って付き合ってるんじゃないの？」

『そういう事にしといてくれると私的には都合いいですね〜』

割とマジなトーンでそう言えば、及川先輩は「Aちゃんて面白いね」なんて言って笑った。

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