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近頃、よく考えている。
人間は毎日、何のために生きているのかと。
無論、やりたいことがある人は、そのために生きるのだろう。
けれど、何も思いつかない側の人間は？
私みたいに、ただ何となく毎日を過ごす人は、何のために生きるのか。
特に大きな夢もなく、毎日細々と生きている。
まぁ、こっち側の人間の方が相対的に見たら多いのかもしれない。
別に死にたくなるような出来事もないし、平和っちゃ平和。
病気しないで元気に暮らせるだけ有難いことはわかってるけど。
最近の自分は、こんな途方もないことを一人でぼんやり考えることが多くなった。
______夢がある人が羨ましい。
彼もそうだ。
あの人にはバレーがあるから、きっと私みたいに無意味な自問自答なんてしないのだろう。
______少し、悔しかった。
結局及川には、私の存在なんて然程重要じゃないような気がして。
それで、こういう思考に陥ってる時点でだめなんだと、自分でもわかってる。
『戻りたいなー……』
______あの頃に、戻りたい。
毎日ウザイくらいに話しかけてきた及川。
そんな彼を適当にあしらえば、頬を膨らませてわかりやすく拗ねる態度。
何もかもが過ぎてしまった思い出なんだ。
気がつけば涙が零れていた。
うわ、私相当メンタルきてたのかな。
今の今まで気づかなかった。
感情よりも体が先に反応してた。
ちょっと、重症化するかも。
こういう時、決まって話を聞いて欲しくなるのはマブダチだった。
徐にスマホの連絡先を開いて、あいつの名前を探す。電話をかければ、3コールもしないうちに出てくれた。
「………どした、A」
『花巻ー……。ちょっと私無理そう』
傍にいてくれない"彼"ではなくて。
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作者名：蜜柑 | 作成日時：2021年6月16日 18時
