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『なに?急にどうしたの』



突然目の色を変えて詰め寄ってきたココくんの圧が強い。
私なんかしたっけか。



「お前が付き合ったって男のことだよ。どんな奴だ?身元は?まさか今も連絡とって、」


『ちょ、ちょっと待ってよ!そんな畳み掛けられても答えられないってば』


「そーだよココ。嫉妬は見苦しいぞ〜」


「……チッ」



こ、怖い……。
さっきからココくんの目の焦点が合ってない。
急に血相変えて質問攻めされるんだもん、こっちは何が何だかわかんないよ。



『と、とりあえずさっきの質問に答えると、まずどんな人かってのはね、うーん。学校では人気者だったかな。あと、頭も良かった。運動神経も良かったと思うよ』


「うわー、非の打ち所ないってやつー?」


『あと、連絡先はスマホ変えた時に全部消えちゃったから、今はもう持ってない』



そこまで言って恐る恐るココくんを見ると、難しい顔で何かを考え込んでいる。

ココくん、ひょっとしてほんとに嫉妬してくれてるのかな。
今までこんな反応されたことなかったから、ちょっと期待してしまう。



「ねー、そいつカッコよかった〜?」



蘭さんが面白そうに笑いながら聞いてくる。
この人のテンションはいつもこんな感じだから、もう慣れた。



『まぁ、結構カッコよかったかな』


「えー、俺とどっちがかっこいい??」


『何その質問〜?
ま、言いたかないけど蘭さんは誰がどう見てもかっこいいと思うよ』


「ふふ〜、知ってる♡Aも俺の顔大好きだもんね♡」



まったく、相当な自信家だな……。
心底嬉しそうにニヤニヤしながら、私の肩を抱き寄せる蘭さんに、あははと苦笑いする。

まぁでも、蘭さんがかっこいいのは事実だし。どの角度から見ても完璧、私だって蘭さんの顔は好き。中身はともかくとして。



『でも私の一番はココくんだからね。ココくんが世界でいちばんかっこいい』



そうだよ。これ以上素敵な人って存在しないんだから。そう思い腕を掴むと、今まで口を閉ざしていたココくんがはぁと溜息をついた。



「………ならその男はノーカンだな」



ココくんは私の肩を引き寄せていた蘭さんの手を払い除け、私を自身の腕の中に抱きとめた。
びっくりして見上げた彼の顔が、今まで見たどんな時より優しげな表情で、私の心臓は急に高鳴る。

そうだよ、私の一番は貴方しかいない。



蘭さんがいるにも関わらず、私はココくんの首元に顔を埋めた。







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蜜柑(プロフ) - 夢見心音さん» 夢見心音さん、コメントありがとうございます✨もっと素敵なココくん・春千夜を書けるよう頑張ります✨ (2022年2月23日 10時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
夢見心音(プロフ) - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙好きです (2022年2月23日 2時) (レス) @page34 id: 6c0a89f163 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 決して器用ではないけれど不器用で一途な一くんが大好きです💛💛💛 (2021年11月5日 16時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ちえさん» ちえさんまたコメントありがとうございます!決して器用じゃないけど心配性で一途で神経質なココくんが好きです✨ (2021年11月2日 23時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - そんなココちゃんの不器用部分も含めて全部大好き君のことが好きなんだ (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑 | 作成日時:2021年9月17日 18時

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