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『ココくん……』
私の隣ですうすうと寝息を立てて、綺麗な顔で眠る彼の頬を撫でる。
あぁ、好き。
普段はキリッとしてるのに、寝顔は可愛いなんてずるいよね?
サラサラの髪も、白い肌も、眼力のありすぎるつり目も、通った鼻筋も、薄い唇も。
全部全部、私だけのものになればいいのにな。
我慢ならなかった私の指は、ココくんの唇の上を静かになぞる。
……寝てるし、いいよね。
一回だけだから。
ほんの出来心を抱いた私は、その綺麗な唇に小さく口づけた。
わ……、なにこれ。ココくんの唇柔らかすぎか。
どうしようもう一回したい。
私は欲に負けて、もう一度彼に口づけた。正確には"もう一度"ではないけど。なんかもう止まらなくて、人様が寝てる間に勝手にちゅっちゅしてる。
うう、好きだよ。
一人で盛り上がっていると、
『痛っ』
突然頬を思いっきり抓られた。
『っ〜〜』
「……お前さー」
『げっ……。お、起きてたの』
「あ?起きるわ、あんだけ好き勝手セクハラされたら誰でもな」
目の前には明らかに不機嫌な彼。
どうしよう、怒らせちゃった。
そりゃそうだよね、寝てて起こされるだけでも人によっちゃ相当ご立腹案件なのに。
『ごめんね、ココくんが好きすぎて抑えられませんでした』
「あほ」
観念してそう言えば、ココくんに思いっきり溜息をつかれる。あーあ、幻滅させちゃったかな?まぁ、幻滅されるほど元から期待されてないから別にいっか。
そもそも、一緒に寝てる時点でこれはセクハラOKってことじゃないのー?
『ごめんてー、もう絶対しないから。キスする時はちゃんと許可取るからさ』
「そういう問題じゃねえよバカ」
『えー……』
「もういいからさっさと寝ろ。子供は寝る時間だ」
『は、私21なんですけどー』
「俺からしたら十分ガキだよ」
そう言ってココくんは私を寝かそうとする。時計を見れば1時を回っていて、確かに何だか急に眠くなってきた。
『寝るからさ、後ろからぎゅーって抱きしめてよ。そうじゃないと寝れないです!』
どうせ幻滅されてるなら、ここはいっそ私がして欲しいことお強請りした方が都合いいよな?
ココくんに抱きしめられて眠るなんて、このまま永眠しても文句ないほど幸せだもん。
「……今日だけな」
『わーいわーい、ありがとココくん』
ほら、何だかんだこの人は甘いんだよ。
今日はいい夢が見れそうだなぁ。
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蜜柑(プロフ) - 夢見心音さん» 夢見心音さん、コメントありがとうございます✨もっと素敵なココくん・春千夜を書けるよう頑張ります✨ (2022年2月23日 10時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
夢見心音(プロフ) - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙好きです (2022年2月23日 2時) (レス) @page34 id: 6c0a89f163 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 決して器用ではないけれど不器用で一途な一くんが大好きです💛💛💛 (2021年11月5日 16時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ちえさん» ちえさんまたコメントありがとうございます!決して器用じゃないけど心配性で一途で神経質なココくんが好きです✨ (2021年11月2日 23時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - そんなココちゃんの不器用部分も含めて全部大好き君のことが好きなんだ (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2021年9月17日 18時