青春マイスター【及川徹】

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はいー！？ちょっと待って！
二人ってそんな親しかったの！？
てか知り合いだったことすら驚きなんだけど！

しかもなんだろう、この"ほんとに仲良い人たち"みたいな雰囲気！
なんかものすごく悔しいんですけど……。



「ええ、二人ってそんな仲良かったんだね………」


『去年同じクラスだっただけ』


「ついでにいっつも席近かったよな」


『それな？何回席替えしても前後左右斜めのどこかにはいたもんw』


「そーそー、懐かし」


「そ、そうなんだ…………」



それでこんなに仲がいいのも納得。
けどなんか、面白くないんだよね！！
なんでこんなに胸騒ぎがするんだろう？



「A、こいつ喧しいだろ。悪いけど宜しくな」


『ええ〜………、ヤダよ。なんでそんな厄介事押し付けるの？』


「厄介事www」


「ちょ、二人とも酷くない！？厄介って！」


『及川は黙って』


「だってさ」


「か、悲しい…………、ってか！名前呼び！梨木さんのこと！」



仲良いことも悔しいけど、呼び方もすっごく気になる。俺も下の名前で呼びたいのに！



「ん、それが？」


「マッキーだけずるい！よし、俺も今日からAちゃんて呼ぶもんね！」


「A、嫌ならちゃんと断れよ？」


『嫌だからやめてください』


「即答とか……。でもこれだけは及川さん譲らないもんねー」


「……………諦めろ、A」


『……………マジでしんど』



女の子に名前で呼ぶことこんなに拒否られたの初めてで、流石に少し凹むけど。
ここで引いたらダメな気がして、もう強行突破で行くと決めた。

その後も梨木さん………じゃなくてAちゃんは終始面倒くさそうにしていたけど、俺は晴れて彼女を名前で呼べることに満足して、浮かれていた。

自分ってこんなにちょろかったっけ？
名前呼びくらいで子供っぽい気もするけど、これだけはどうしても譲れなかった。





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