32 ページ32
.side▶oikawa
意を決して口にした言葉は、果たして彼女に届いているのかいないのか。
これは自分なりの賭けに出たと思う。
Aちゃんの感情が今ひとつ読めないのは、出会ったときから変わらない。
そんな彼女を見つめて、俺は言葉を続ける。
「俺、Aちゃんが好きなんだ」
『________っ』
「初めて話したときから気になってた。最初は正直、愛想ないなぁって思ってさ。俺が話しかけてもいつも嫌そうにしてたし。でもなんだかんだAちゃんはいつも俺の話し相手になってくれたよね。毒舌だけどほんとは優しくてさ。そしたらいつの間にか好きになってた______。
正直もう諦めようと思ってたんだけど、やっぱりどうしても伝えたくて。俺はもうすぐ日本を出るし、言うなら今だって思った」
「好き。Aちゃんのことが大好き。一生傍にいてほしいくらい、好きで好きでどうしようもないんだ」
そこまで言い切って、大きく息を吸い込んだ。
緊張で汗と動悸が尋常じゃない。若干手も震えて、頭は酸欠気味だ。
それでも、伝えた。
結果がどうであれ、ずっと抱えていたこの気持ちを言うことができたのだ。
しまい込んだままお別れするなんて、やっぱり自分には無理だったから。
もしふられても、悔いなんか残らない。
これで前に進めるなら、何が待っていようと大丈夫だと思えるから______。
Aちゃんのことを想って過ごした日々が、背中を押してくれた気がした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蜜柑(プロフ) - 卵おにぎりさん» ありがとうございます！最近更新できてなかったので頑張ります…！ (2021年8月3日 14時) (
レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
卵おにぎり - とても好き! (2021年8月3日 11時) (レス) id: 9fc3fd6c87 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蜜柑 | 作成日時：2021年5月30日 19時
