うらたぬき ページ46
side A
「わたるくんおかえりなさい!」
同居中の彼氏が帰ってきた。
「あれ、やってくんねぇの?」
なんとなく予想はついた。
むっつりすけべなわたるくんのことだから…
「あれ、って…?」
「わかってる顔だな。」
「うっ…わ、わかったよ。」
私は今、恥を捨てて生きていこうと決めた。
「わ…わたるくん、ご飯にする?お風呂にす…」
「お腹すいたからご飯食べたい!」
と、無邪気なわたるくんの声が玄関に響いた。
「えぇ!?い、今わたるくん私にやらせてたよね!?遮っちゃうの!?」
ひどすぎる。
なんて思ったものつかの間。
わたるくんは、私の後頭部をぐっと引き寄せて耳元で囁いた。
「いつか毎日のように言わせてやるから。」
「…?」
「さ、ご飯食べよ!今日はなにつくったの?」
リビングへすたすた歩いていく彼を追いかけて、「グラタン!」と言う私。
幸せだな。
.
「ごちそうさまでした!」
「グラタンめっちゃ美味しかった!ありがとう。」
そんな些細な言葉が、私を癒してくれる。
片付けが終わり、リビングへ戻ろうとする私の腕を引っ張り、わたるくんに後ろから抱き締められた。
そして片手で私のエプロンの紐をほどいた。
「ちょ、なに…!?」
「ねぇ、ここでする気ない?」
なんて、いじわる混じりの低い声で
私の身体を熱くさせてしまうのは、彼だけ。
「ば、ばか!なに言ってんの!?するわけないじゃん…!」
でも、身動きがとれなくて、抵抗できない。
顔は見えないけど、わたるくんもどこか楽しそうで…
その“いつか”は、意外と近かったりするのかな、なんて。
これからもずっとずっと大好きだよ___
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乃々夏(プロフ) - みぃたんさん» こんにちは(..)めちゃめちゃうれしいです〜!!ありがとうございます;; (2023年1月6日 22時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - こんにちは!とてもキュンとくる作品でした 私はこたぬき なのでうらたさんのお話とても良かったです! (2022年12月2日 21時) (レス) id: ed65b67048 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - 咲海。さん» こちらこそ返信遅くなってすみません…!!(土下座)ありがとうございます!うれしいです〜 (2022年3月30日 22時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
咲海。 - 素敵な作品ありがとうございました!! (2022年1月30日 14時) (レス) @page50 id: faf8c72bc7 (このIDを非表示/違反報告)
咲海。 - くっそ遅くなりましたけど、完結おめでとうございます!!諸事情でコメントできない日が続いてしまって、、 (2022年1月30日 14時) (レス) id: faf8c72bc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乃々夏 | 作成日時:2021年1月23日 8時