第85話 ページ7
実習を終え、じいちゃんの思惑通りにウォーターセブンにやってきてしまった私。
コビー君はワクワクした様子で、ヘルメッポ君は緊張した面持ちでついてきた。
船を動かす権利は私にあるから帰ることもできたが…….
コビー君にあんなキラキラの表情で頼まれたら断るに断れなかった。
なんだろう、この弟感。
ルフィは生意気なとこが可愛いけど、コビー君は子犬みたいに従順で可愛いんだこれが。
悔しいけど私は純粋な子に弱い。
水士になってからは大人の汚い部分ばかりが目についてしまい、必然的にその純粋さが心に刺さるようになってしまったのだ。
私、順調に大人の階段を上がってってるわ……()
「そういえばコビー君とヘルメッポ君はどういう経緯でルフィに助けてもらったの？」
まぁルフィは人助けするような柄じゃないし、成り行きだったんでしょうけど。
「実は………」
コビー君は丁寧に説明してくれた。
「へぇ、そんなことが………」
コビー君は元々海賊の雑用だったらしい。
海軍になりたかったが捕まって、無理やり働かされていたところを助けてもらったそうだ。
ヘルメッポ君は海軍大佐の息子なのだとか。
父親がまともな海兵じゃなかったようで、その海兵を倒したのがルフィというわけらしい。
「いやほんと、2人がじいちゃんに拾われたのはなんてふk………運がいいんだろうね！！！！」
率直な感想を述べようとしたがじいちゃんが睨んできたので、慌てて言い直す。
「はい！ガープ中将に稽古をつけてもらえるなんて、本当に光栄です！！」
「まぁ、俺たちだけじゃこの短期間でここまで来れなかっただろうな」
そういうところだぞ君たち。
相当スパルタだっただろうに………私なら耐えられない！
「………ってか、つい最近まで海軍の雑用だったんでしょ？？…今は曹長と軍曹だから………え！？超スピード昇進！？！？」
「「「お前が言うな」」」
あ、そうか私もか。
「正直昇進しても、私なんてまだ准官くらいの気持ちだわ」
「なに甘ったれたこと言っとるんじゃA！お前はもっと自覚を持ってだな………」
わー、わー、始まったぞー。
こういうのは聞き流すに限るんだ。
そんなこんなで、無駄話をしながら私たちは麦わらの一味が潜伏していると思われる建物の前に辿り着いた。
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作者名：ふらっと | 作成日時：2019年10月1日 14時
