上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ10)

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第9話ページ10

「もしヤミヤミの実に関する情報が手に入ったら、随時我々に報告いただきたいのです」

「あー、そういうね。分かりました。この付近の水士たちには伝えておきます。」

「お、マジか。助かる」

いやあんたさっき忘れたって言ってただろーが。

適当かよ。

てかだらけきった正義ってなんだよ、どうでもいいにもほどがあるだろ…

なんで海軍こんな正義掲げるの黙認してんの？

やっぱうちと違って実力主義だから関係ないの？？

海兵も苦労してんだなぁ…

「じゃ、それだけだから帰るわ」

「はよ帰れ(お疲れ様です)」

「本音と建前逆なんだけど、ひどくない？」

また会おうね、と言ってクザ…青雉大将は帰っていった。

なんだあいつ、彼氏ヅラか？

「えーと、じゃあ仕事戻りまーす。とりあえず周辺の島々には悪魔の実に関する情報があれば報告頂けるよう連絡しといて下さーい」

「「了解」」

そうして私たちはいつもの業務に戻った。

この時、ヤミヤミの実の行方が後に世界を揺るがす大きな戦争に発展するなど、誰も思いもよらなかったのだ。

『プルプルプル、プルプルプル』

「なに？今日すげー電伝虫が鳴るんだけど…」

もう今日は一つ大仕事したので勘弁してくれ。

『ガチャ』

「はい、こちら海衛艦402」

『A下等官ですね。至急本部にお戻り下さい。総長がお呼びです』

「そ、総長が！？」

総長とは、海軍でいう元帥のことだ。

つまり海衛府のトップ。

『そちらの業務は代わりの者を派遣しますので、なるべく急ぐようお願いします』

『ガチャ』

…一方的に切られた。

なんかまた厄介の種を植え付けられたぞ。

今日は厄日だな…

「みんなー、私総長に呼ばれちゃったから本部戻るわー。代わりの人来るまでいつも通りにお願いねー！」

「え、下等官！？」

「今海衛艦は5隻あるし、一隻借りるね」

「は、はぁ…」

「お疲れ様です…」

「うん、お疲れっしたー」

部下に大した説明も出来ないまま、私は船を借りて本部に出発した。