上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ43)

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第40話ページ43

麦わらの一味は、クロコダイル討伐のためにレインベースに向かうことで意見がまとまった。

「ならここでお別れだね。私はアルバーナに向かうよ」

「船がないのに、どうやって行くんだ？」

そうだ、失念していた。

ゾロの言う通り、私は自分の船を持っていない。

仕方ないから月歩で行くしかないな。

「船がなくても大丈夫。一応帰る手段はあるから」

「ならいいけどよ…」

「えー！？Aすわぁん行っちゃうのぉ～～！？」

「そ、そうだぞ！お前も一緒なら心強いのに！」

サンジとウソップは残念がっていた(違うベクトルで)が、私には私のやるべきことがあるのだ。

「じゃあみんな、武運を祈るよ。さすがにここで弟が死んだなんてニュース聞きたくないからね」

「おう！ぜってぇクロコダイルぶっ飛ばすからな！」

「威勢がいいことで。またね、ルフィ」

「じゃあな！水ありがとう！！」

「いいってことよ」

私はルフィたちと反対方向に歩き始めた。

港に着くと、麦わら海賊団の船以外に、一隻の商船が停泊していた。

「「A下等官！お疲れ様です！！」」

そこには水士が乗っていた。

みんな私服だ。

「あれ？なんでここに？」

「ニード上等官から下等官の援護に回るよう指示を受けました。砂漠の移動用にとこの水陸両用車をお渡ししようと思いまして」

そう言って部下はバギーを船から降ろした。

「このバギーは下等官のミズミズの能力を原動力として動くよう、スペア上等官が開発したものです。アラバスタに行くついでに、試運転をしてきて欲しいと仰っていたので……」

それはまぁ……ありがたい。

見た目もかなりカッコいいし、水陸両用という点でも魅力的だ。

これで砂漠の移動を大幅に楽に出来る。

「そっか、ありがとう！！他にも水士が来てるの？」

「はい、あと3隻ほど。全てニード上等官の商船でカモフラージュを行なっているため、クロコダイルの目には止まらなかったようです」

「さすが、有能か」

ユバに泊まった時に私の知る全ての情報を上等官と共有しておいて良かった。

「それから、ニード上等官からの伝言ですが……」

「？」

「A上等官は直ちにレインベースへの偵察を行うように、と」

「！？」