上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ41)

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第38話ページ41

朝になり、麦わらの一味は反乱軍の本拠地であるカトレアに行くことが決まった。

私はもちろん、その先にあるアルバーナに向かう。

「そうだ、トトさん。発つ前に水瓶を５つ用意してもらえますか？」

「あぁ、いいが……うちにある水はさっき渡した蒸留水が全てだぞ」

トトは私たちのために、湿った土から蒸留して作ったごく僅かな水を私たちにくれたのだ。

「それなら私がさっき全部飲みました」

「「「はぁ！？！？！？」」」

「いや、何してんの！？」

「私たちの貴重な水が！！」

「A！！このおっさんがなけなしの水をくれたんだぞ！！」

まぁ、驚くのも無理はないな。

でも倍にして返すから許してほしい。

「知ってるよ。まぁ見てな。………湧水(ハイドロガッシュ)！」

自分の能力で、５つの水瓶に満タンの水を入れた。

自分の能力で水を出して、自分で飲めば良いじゃんという声もあるだろう。

でもこの能力を使って水分補給をしても、私自身は体液が体の中に戻ったようなものだからあんまり意味がないのだ。

つまり、私さえ自然の水で水分補給が出来ればいいのである。

「水が湧いて……！」

「そうか、ミズミズの実の能力！」

「これで暫くは持つはずです。オアシスが出来るまでは私が支援しましょう」

「ありがとう…！…しかし、私以外にも水がなくて困っている奴らが…」

「もちろん、これから向かうつもりです」

ミズミズの実の能力は案外体力を持っていかれる。

本来なら湖１つくらい本気を出せば作れるのだが、水も長く置けば腐る。

今はこの量が限界だ。

「わりぃ、A。疑ってた！！」

「そうだよな、海衛府がそんなことするはずねェもんな！」

「あはは…勝手に飲んだのは悪かったよ」

麦わらの一味の分の水も用意してやり、私たちはユバを後にした。

しかし少し歩いたところで、ルフィが座り込んだ。

「やーめた」

「は！！？」

ビビ王女はオロオロしている。

ゾロは呆れ顔だ。

「カトレアには行かねェ」

「「はぁー！？！？」」